こんにちは! 香港ナビです。今日ご紹介するこの炳記飯店は、マカオの某カジノ王の娘がボディガードを下見に送り込んでまで「食べに行きたい!」といったという隠れた名店です。名店といっても気取った雰囲気はまったくなく、パッと見は茶餐廳(チャーチャンテン)のよう。でも、その中で供される料理は、見た目からして格が違います! 素材の持ち味を活かした豪快な料理、しっかりとした経験がなくては作り上げることができない繊細な料理などなど。おなか一杯になってもあれもこれもと試したくなってしまう料理がそろっています!
常連さんに愛され続けて18年
近くに太古坊(Taikoo Place)というオフィス街があるため、昼はビジネスマンで込み合います。同僚の香港人に連れられてアフリカやインドからやってきた人もやってきて、上手に箸を使って料理に舌鼓をうっているそうです。やっぱりおいしい料理は万国共通なんですね!
店のドアに張られたシートには有名人のサインがたくさん書き込まれています。日本でも有名な女優のミシェール・ヨー(楊 紫瓊)、シンガーで俳優もこなすワーキン・チョウ(周華健)、俳優のアレックス・トー(杜徳偉)などのほか、ジャッキー・チェンのマネージャーや、香港ジョッキークラブの主席なども常連なのだとか。
うなぎを使った料理です。大ぶりの肉の柔らかいうなぎをさばき、はものような骨きりを施したのちに、軽く油通しをしてから照り焼きにします。この照り焼きのたれは、ほんのり甘いようなウスターソース風の焼汁です。日本人がどこか懐かしく感じる味付けで、白いご飯が進みそう! 油通しをしているとは思えないほどあっさりとしているので、日本の関東圏のうなぎと同じく一度蒸したのかと思い確認したところ、油通しのみとのこと。シェフの鮮やかな腕前を垣間見ました!
日本人にもおなじみの酢豚です。新鮮な豚モモ肉を使用し、中はやわらかく周りはカリッ! できあったらすぐにテーブルへ届けるので、とにかくすぐに食べて欲しいというほど食感に重きを置いているメニューです。食感のみならず、甘酢あんの酸っぱさと甘さのバランスがよく、油っぽさを感じないさわやかな後味です。たまねぎ、ピーマン、赤ピーマン、パイナップルのスライスが入っているところが、「王道」といった感じがたまりません! ご飯、おかわりおねがいします!!
卵の卵白と牛乳をあわせたものと、新鮮なほたての貝柱を炒めた一品です。一見普通の炒め料理のようですが、白い素材で白いものを包み白く仕上げる……料理の経験のある人ならばすぐに大変さがわかるはず。白さを保つためには、わずかな鍋の汚れも許されず、また卵白と牛乳と、あっというまに焦げてしまう素材を扱うのですから、気は抜けないし、もちろん手も抜けません。シェフの腕がよくなければメニューに載せることのできないものなのです。見るからにふわふわな卵白は牛乳の甘みをわずかに感じるような繊細さ、そこから顔を出すホタテはプリプリ。全体に軽い塩味で仕上げているので、いくらでも食べられそうです。
シェフの李啓林さんです。広東省出身で広東料理一筋20年。「中華料理はたくさんの油を使いますが、きちんとした使い方をすれば決して油っぽくはなりません。素材をおいしく仕上げるためにも、その点にはとても気を使っています」と語っています。こういう気遣いはとってもうれしいものですね。また李さんは、メニューにないものでもリクエストがあれば即興で料理を仕上げられるほどの、知識と腕前をあわせもっているのですよ!
オーナーの嫻姐さんは、毎日自ら市場へ出向き、季節感のある新鮮な素材を仕入れています。素材を見極める目はお店の屋台骨ともいえるもの。しっかりとした屋台骨があるからこそ、周りも動きやすく、活気のあるお店になっているのでしょう。あまりにもたくさんあるメニューに「えーと、いくつあったかしら~?」と首をかしげながらも、そのリストはちゃんと頭に入ってきて、テーブルの間を軽やかに動きながらてきぱきと注文を受けています。 上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
スポット登録日:2006-11-01
スポット更新日:2008-01-23