デザイナー・アニエスベーは、ファッションだけでなく「食」に関してもクリエイトしたいという思いを長年抱いていたそうです。というのも、「食」は生活の基本であり、その生活の質を高めるために「食」は重きを置くべきものだという考えがあるからです。活気がある香港の街が好きだという彼女が、この地にレストランを開くことは当然の流れだったのかもしれません。フランスへ行ったことのない香港人に本当のフランスの味を、行ったことのある人にはそのときを思い出しながら、飛行機に乗らなくてもフランス体験のできる店、をコンセプトにこのレストランはオープンしました。
角地ということもあり、カフェカーテン越しに自然光がやさしく差し込むので、テーブルに乗せられたお料理が、人工的な光の中で見るよりもとてもやさしく目に映ります。こういう感覚までもフランスのカフェを意識した演出なのでしょう。とっても素敵ですね。夜はシャンデリアからのやわらなか光が店内を包み込みます。
アニエスベー自らがセレクトしたメニューは、伝統的なフランス料理をベースに、現代感覚にあったアレンジも盛り込んでいます。素材は、ヨーロッパ各国、オーストラリア、ニュー人ランドから、担当スタッフが厳選したものを輸入しています。
店名でもあるle pain grille(グリルしたパン)を添えていただきます。たっぷりの野菜と魚をじっくりと煮込み、滑らかでポタージュのように濃厚な味わいです。魚のにおいはまったく感じることなく、ていねいに作られているのが一口でわかります。
フランス料理の前菜といえば、真っ先に名の挙がる料理ですね。ガーリックバターを詰めてオーブングリルしたシンプルな料理なので、その分素材の質が問われます。小さなグリルパンに岩塩を敷き詰めて盛りつけられているところに、アニエスベーらしさを感じますね。
香港ではここでしか飲むことのできないアルコールです。19世紀末のフランスでゴッホ、ピカソ、ヘミングウェイなどが愛飲していました。きれいなブルーに気を許してしまいそうになりますが、なんとアルコールの強さは68%もあります。専用スプーンにのせた角砂糖に少しずつ冷水を注ぎ溶かしいれて作ります。このお酒はテーブルサーブされます。
店内にはケーキカウンターもあり、毎日10種類ほどのホームメイドケーキが並びます。ウインドーの中から好みのものを選ぶと、そのケーキは一度キッチンへ。きれいなデコレーションを施されてテーブルへと登場します。もちろんテイクアウトもできますよ。ピースケーキのほか、ホールケーキ、バースデーケーキのオーダーも受け付けています。
紅茶は17世紀からフランスのお茶の世界をリードしてきた有名店、マリアージュ フレールのもの。モスリンコットンにひとつひとつていねいに茶葉を包み込んだティーバッグで、11種類のテイストが用意されています。 上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
スポット登録日:2006-11-10
スポット更新日:2008-01-23