音楽、ダンス、フォトグラフィー、あらゆる芸術をサポートするアートな空間。

こんにちは、香港ナビです。今回は、100年以上の歴史のあるビルでアートな雰囲気に囲まれて食事もできるフリンジ・クラブをご紹介します。ここは、レストランでもあり、シアターでもあり、バーでもあり、アートギャラリーでもあり…知っておくといろいろ楽しめる、一風変わった超マルチな場所。
まずは、行き方から
まず、フリンジ・クラブにたどり着くには、徒歩の場合、この心臓破りの階段(53段)をクリアしなければなりません。かなり急なので転げ落ちないように注意してください。
足腰に自信のない方はそのまま建物にそって坂を歩いていき、角をぐるっと回って入り口にたどり着くという行き方もあります。
白とブラウンの縞々が目印
フリンジ・クラブの住所は2 Lower Albert Road(下亞厘畢道)になっていますが、Ice House Street(雪廠街)と、雲咸街(Wyndham Street)の3つの通りに囲まれています。
 雲咸街(Wyndham Street)ウインダム・ストリートからの景観 |
 Lower Albert Road(下亞厘畢道)ロウアー・アルバート・ロードからの景観 |
 Ice House Street(雪廠街)アイス・ハウス・ストリートからの景観 |
~歴史~
フリンジ・クラブの入っているこの建物は、1890年に乳業会社の冷蔵倉庫として、初期のイギリス・コロニアル(植民地)スタイルで建てられました。病院やこの近辺及びピークの住宅へ氷と乳製品を供給していました。。70年代初めに会社が立ち退き、そのまま廃屋として置き去りにされていました。1983年のクリスマス前に、香港の前衛芸術家が立ち上がり、臨時のフェスティバル・クラブを設立しました。それ以来20年以上に渡ってボランティアや専門家の手をかり、8回に及ぶ改修工事を経て古い倉庫を生き生きとしたコンテンポラリー・アートの空間に変身させました。2001年には歴史の保存に対する貢献を認められて、香港政府から文化遺産奨を授与されました。
というわけで、まだ冷凍設備がなかったころ、中国北部から船で届いた大きな氷をセントラルの埠頭からここまで運んできた名残が、Ice House Street(アイス・ハウス・ストリート)の名前からもうかがえます。
では、中に入ってみましょう。
 入り口 |
 レセプション |
 レセプション脇の小さなショップ。 |
フリンジ・クラブのマルチぶりをご紹介しましょう。
ギャラリーとして(Exhibitions)
ザ・エコノミスト・ギャラリー(The Economist Gallery)
フリンジ・クラブの看板とも言える、入ってすぐ右側にあるスペース。 香港に限らず外国のアーティストの作品も展示しているアート・ギャラリー。
フリンジ・ギャラリー(FRINGE Gallery)
ここでは、展示の他に、バー・カウンターがあり、客席と小さなステージもあって、ライブなども行われます。

バー・カウンター

ちいさなステージ。左端にあるのはグランド・ピアノ。
サタデー・ナイト・ジャズ・オーケストラは日本人中心のジャズのビックバンド。毎月最後の土曜日の夜にライブ演奏が聴けます。(午後22:30~)入場料は、ワン・ドリンク付きで一人HK$80。
フォト・ギャラリー(フォルクスワーゲン・フォトギャラリー)
2階のレストラン・スペースがそのままギャラリーになっています。ここでランチ・ビュッフェも食べられます。
シアターとして(Performances)
1階(Fringe Theatre)
 フリンジ・ギャラリーの奥の扉を開けると、シアターがありました。 |
 歴史を感じさせる床と木の椅子。 |
 舞台。 |
 舞台横の壁。 |
 ライトがぶらさがる天井。 |
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観客席。 |
 階段をあがって2階へあがります。 |
 この階段も歴史を感じさせます。 |
 突き当たりの左がシアター。 |
 舞台。 |
 観客席。 |
リハーサル・ルーム
階段を上がって右側の突き当りがリハーサル・ルーム。
床は木で、壁一面がガラス張りになっていて、他の3面からは自然の光が入ります。エアコ ンと明るさを調節できるライトもついているので、リハーサルだけでなく、教室、小規模のトーク・セッションや発表会などにも利用できます。
レストランとして(Food & Beverage)

フリンジ・クラブではランチやスナックの他に、イタリアン・フード・ウイークやチョコレートの試食会などの食をテーマにしたイベントも行われます。
入り口にメニューが立てかけられています。
今日のランチのテーマはGLOBAL VILLAGE (グローバル・ビレッジ=地球村)。
では、実際に2階に上がってランチをいただいて見ましょう。
 階段を上がって右手に入り口があります。 |
 ちょっと暗くて狭い階段を上っていくと、fotogalleryに到着。 |
 階段の天井もアートしてます。 |
ランチ・メニュー
A ベジタリアン・ライト・ランチ + コーヒーか紅茶
HK$70(メンバーHK$60)B ベジタリアン・ライト・ランチ+メイン・コース(日替わりカレーまたは、スモーク・チキンかスモーク・サーモン付きシーザー・サラダ)+スープまたは、ケーキ一切れ+コーヒーか紅茶
HK$95 (メンバーHK$85)
C スモーク・チキンかスモーク・サーモン付きシーザー・サラダ+ハウス・ワイン(グラス一杯)
HK$70 (メンバーHK$60)
*スープまたはケーキは各HK$10で追加できます。ランチの時間は正午~午後14:00(月~金)
奥のバー・カウンターで注文して先にお金を払います。
ベジタリアン・ライト・ランチ
お皿を受け取って、いざビュッフェ・スペースへ。

いろいろな種類のパン。バターも忘れずに。

チーズ各種。

フルーツ。

サラダ。

オリジナル・ドレッシング。ビネガーとオリーブ・オイルもありました。

サラダのトッピング。クルミ、クルトン、チーズ。

ピラフ。

左はゆで野菜(カリフラワー、ニンジン、ブロッコリー)右はラタトューユ(ナス、シイタケ、ズッキーニ、ピーマン)
お好きな席を選んでどうぞ。
取材させていただいた日はお天気が良くて、でもあまり暑くなかったので、ルーフ・ガーデンで食べることにしました。

お天気のいい日はテラスも気持ちがいいですね。

テラスからさらに上にあがるとルーフ・ガーデンがあります。夜は星空をみながら食事ができます。
1階でも共通に利用できるおつまみメニューもあります。

ベジタリアン・タパス(タパスはスペイン語でおつまみのこと)
チーズ盛り合わせ(ブリー、ブルー、エダム) HK$45
ミックス・オリーブ HK$35
フライド・マッシュルーム HK$35
ハムス付きピタ・ブレッド HK$30
(ハムス:中東料理で、ひよこ豆とごま油のペースト)
フレンチ・フライ(フライド・ポテト) HK$30
その他のタパス
ポルトガル・ソーセージ HK$45
カラマリ(イカ) HK$45
ミート・ボール HK$45
タイ風エビ・ケーキ(さつま揚げ HK$40
チキン・ウイング(手羽先) HK$35
今日のスペシャル
ロースト・ポーク HK$35
フィッシュ・ケーキ(かまぼこ) HK$30
春巻き HK$30
スモーク・サーモン・ロール HK$30
* 料金は2006年4月現在です。
催し物の案内
ジャズあり、ロックあり、ダンスあり、盛りだくさんのプログラム。

フリンジ・クラブのメンバーになると、色々な催し物がディスカウント料金で見られたり、無料になることも。レストランでもメンバー割引料金があります。香港在住でなくてもメンバーになることができます。
この建物に入っているその他の施設
レストラン(M at the Fringe)
1989年から営業。香港の雑誌の読者投票で何度もベスト・レストランに選ばれています。
香港外国記者クラブ(The Foreign Correspondents Club)
外国人ジャーナリストが集まる会員制クラブ。
楽天陶社(The Pottery Workshop)
1985年、陶芸の面白さを紹介するためにに設立されました。工房では実際にアーティストが作品を制作しています。作品の展示も行われています。
いかがでしたか?アートに関心のある方は是非一度足を伸ばしてプログラムをチェックしてみてください。また、アートに興味がなくても、歴史あるフリンジ・クラブの建物を観光名所として見学するだけでも十分に訪れる価値はあると思います。以上、ナビがお送りいたしました。