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香港文化博物館

Hong Kong Heritage Museum

香港 > 沙田

香港がもっと好きになる!ホンコンカルチャーが実感できる博物館。

こんにちは、香港ナビです。香港にも大小さまざまな博物館がありますが、今回は、大衆に根ざした香港の文化を紹介している博物館にいってきました。広東オペラや香港の新界地区にスポットを当てた展示など、ローカルな内容に親近感を感じます。また、個人寄贈の展示品のすばらしさに思わず個人の収集ということを忘れてしまうほど……とにかく百聞は一見にしかず!しかと、ご覧ください。

ロケーション

九龍の郊外、新界(New Territory)は“沙田(Sha Tin)”に位置するこのひときわ大きな博物館は、”城門河(Shing Mun River)”のほとりにあります。
KCR九広線で紅磡(Hung Hom)駅から、大圍(Tai Wai)駅まで行き、馬鞍山(Ma On Shan)支線に乗り換え、車公廟(Che Kung Temple)駅で下車しました。

それから、左手の河に向かって歩いていきます。

すぐに橋が見えてきますから、その橋を渡ります。(細くてちょっと怖いですが…)

すぐに橋が見えてきますから、その橋を渡ります。(細くてちょっと怖いですが…)

右手に見える、大きな茶色の建物が博物館です。

右手に見える、大きな茶色の建物が博物館です。

博物館の外装は?

博物館を目指して、河沿いを歩いていくと、こんな風に大きな博物館が近づいてきます。

まずは、博物館のすぐ脇にあるオープン式の小規模なフードコートが見えてきます。サンドイッチやジュースなどを販売しています。館内に入らない人も、ここで休憩はできます。

そのまま進むと正面玄関。意外にシンプルです。

もうひとつ横にも、入り口あって、外にはかなり広いスペースがあります。ベンチもあって、憩いの場所的な活用をしています。
北側から見た博物館です。展示内容などの垂れ幕が掛かっていますね。

まわりには、こんな案内の看板が見られます。

それでは、中へ入って観覧いたしましょう

館内は、6つの常設展覧館と6つの専門展覧館、そのほかにセミナールーム、2つの劇場、教育活動室、ギフトショップ、ティーハウスなどがある3階建てとなっています。では、まずは1階のエントランス周辺から、見ていきましょう。
正面玄関を入ると、すぐ目に入ってくるのは、この大きな階段です。(まるで宝塚歌劇団のステージを思わせる!?)3階まで吹き抜けた館内は、大勢の観覧客が集まっても広々として、狭い感じを与えません。

この階段は、3階から見下ろすとこんな模様になっていました。館内のデコレーションは、催し物によって変わります。

ガラス張りのエントランスも、明るくオープン。

観覧中に疲れたら、茶室(Tea Room)へどうぞ。残念ながら、中までご紹介ができませんが(取材当日は休館日)中国風のデコレーションで雰囲気満点です。様々な種類の中国茶と点心、中華のランチも味わえます。またお茶の葉はもちろん、急須や湯飲みも販売しています。

こちらは、VIPルームです。一般には公開しておりませんが、茶室のお隣にあります。

常設でない展覧内容などは、わかりやすく目に付くようにポスターが貼ってあります。この奥は視聴覚室になっていて、館内の展示のハイライトや特色の概要を紹介していますので、最初に訪れてみてください。
ギフトショップには、中国文化や芸術の書籍、掛け軸やDVD、博物館グッズなど盛りだくさんにそろえています。おみやげにぜひ。

兒童探知館(Children's Discovery Gallery)

常設展覧館のひとつ、“兒童探知館(Children’s Discovery Gallery)”が、1階にあります。“子供探検館”とでも訳しましょうか、4歳から10歳までのお子さんを対象にイメージされた、大自然の不思議や、考古学の秘密など、昔の香港の情景を再現しながら体験することができる設計になっています。中には、子供のお世話係のスタッフもいますので、お子さんはこのコーナーをゆっくり満喫し、ご両親はその間に、他の展覧をまわるっていうのも手ですよね。 また週末や、祝日などには、子供たちが参加できる催しも行なわれます。

中に入ると、いろいろなコーナーに分かれているのが良くわかります。コーナーは、8つの異なった学習と遊びを主題に構成されています。

最初は、“農村生活”のコーナー。新界の伝統的な田舎の暮らしを体験してみましょう。

自由に遊べるコーナーもあります。

香港の湿地地帯、“米埔(マイポ)”を再現した、“米埔散策”のコーナー。

地元考古学者の関知から、ゲーム感覚で解説された“考古園地”。
そのほかにも、海や鳥の世界など自然をテーマにしたコーナーがあります。どのコーナーも、絵や飾りがカラフルで、楽しく遊びながら学ぶことができる環境作りがされています。
そのほかに、香港の子供たちの遊び道具やおもちゃも展示されています。香港でデザイン、製造、販売されたおもちゃを集めて、香港のおもちゃの発展を詳しく説明しています。昔懐かしい伝統的なおもちゃから、一発ヒットでその後はお目にかかれないもの、最新のゲームまで、大人にも十分に楽しめる展示です。また、実際におもちゃを使って遊ぶことがきるコーナーがあるのもうれしいですね。

2階へ上がってみましょう「劇文物館(Cantonese Opera Heritage Hall)

大きな階段の横にはエスカレーターもありますから、階段は苦手という方もご心配なく。

各フロアーもゆとりのスペースがたくさんあって、さすが建物の大きさを感じます。
また、中央には、外にも出られるように中庭があって、新鮮な空気を吸いながら一息つけますし、ガラス張りで光が存分に館内にも入ってきます。

粤劇文物館(Cantonese Opera Heritage Hall)

広東オペラ文物館は、常設展示館です。200点以上の広東オペラ関連の文物を展示してあります。広東オペラの源流から、香港での歴史、演技や舞台、銀幕での時代など、くまなく垣間見ることができ、劇場内部や、舞台裏も復元してあるので、実際に体験しながら理解することができます。

広東オペラ発祥の頃の歴史を、戯曲本や劇場の屋根に飾られた飾り物などで知ることができます。

広東オペラの劇団が、船で地方に興行に出るときの様子を、船の模型や当時の書類などで説明しています。

昔の公演チラシ、ポスター。

当時の広東オペラのスターの写真や雑誌の記事。

海外公演の際に持っていった衣装や化粧道具。

広東オペラの化粧を思わせるマスクの絵。その後ろは、劇場模型。

実際に再現された野外公演の舞台。赤や金でとても派手派手派手………今も、観音様のお祭りなどで、街中でも見かけることがありますよ。

舞台裏も再現。衣装や髪飾りなどが掛けられています。化粧台や行李も年季が入っています。

実際の広東オペラのハイライトがビデオで放映されています。重ね合わせて見ると、おもしろいですね。。
野外劇場の骨組みは、こんな感じ。

野外劇場の骨組みは、こんな感じ。

劇場周辺に建てる、立て看板とでもいいましょうか……

劇場周辺に建てる、立て看板とでもいいましょうか……

公演の成功を神様に祈るための、神棚。

使用されていた中国楽器の数々。

きらびやかで豪華な衣装の数々。実際に著名な俳優たちが使用したもので、寄贈されてこちらに展示してあります。

こちらは、美しい髪飾り。演じる役柄によって、それぞれ形に決まりがあって、髪飾りを見ただけで、その役柄がわかるようになっています。

こちらは、靴類。昔の纏足(てんそく)を演じるときの靴の履き方は、まるでバレエのトゥシューズのよう。大変です。

こちらは、靴類。昔の纏足(てんそく)を演じるときの靴の履き方は、まるでバレエのトゥシューズのよう。大変です。

昔の家柄の良い家庭同士の結婚式には新婦が、こんな籠に乗って興し入れ。 

昔の家柄の良い家庭同士の結婚式には新婦が、こんな籠に乗って興し入れ。 

1950年代から、広東オペラの映画が流行し始めました。当時の模様を再現した映画館があります。

コレクターから寄贈された当時の戯曲の数々が展示されています。
そのほか、劇場もあって、週末などには実際にここで広東オペラが上演されるのです。お年寄りや、広東オペラファンでいっぱいになります。

衆樂與獨樂-香港大衆娯樂的轉變(Hong Kong's Popular Entertainment)

2006年6月14日から2007年2月26日までの期間、専門展覧館のひとつとして展覧されています。香港の一般庶民の娯楽の歴史を通して、文化の移り変わりと社会の発展について、わかりやすく解説しています。
香港庶民の娯楽の代表である、競馬、旅行、テレビ、映画、サッカー、子供の遊びや将棋などの街頭遊戯を、テーマ別に歩き進んでいくごとに、タイムスリップした香港の生活の中に入り込んだみたいです。

新界文物館(New Territories Heritage Hall)

博物館のある新界地区にスポットを当てた常設展覧館のひとつです。8つのテーマ別に展示コーナーを分け、300点を越える文物を展示し、発展の歴史を解説しています。また、古代の遺跡や生態環境などをさかのぼって紹介したり、実際に建物や町並みなどを再現し、生活習慣や風俗といった地域に密着した文化伝統をみることができるなど、幅広く認識を深めることができます。

古代のこの地区の生活について、知ることができます。

このあたりは早い時代から、船での貿易が始まっていました。当時の船を再現し、湾岸警備のための建物も再現しています。
漁民の家を再現し、暮らしぶりを紹介しています。
漁民が漁などで使用していた道具や、祭りなどで着用した民族衣装なども展示されています。
まだ田舎として開けていなかった新界の暮らしを店や民家などの建物を再現することによって、よりわかりやすく紹介しています。
農家などで使用していた道具類。

農家などで使用していた道具類。

祭りなどで着用した衣装。

祭りなどで着用した衣装。

先祖を祭った場所。

先祖を祭った場所。

お嫁入りのときに使用した篭。

お嫁入りのときに使用した篭。

イギリスの統治が始まってからの政策や建物などを展示し、新界地区への影響度を紹介しています。
最後に、ニュータウン開発がもたらした現在の発展と新しい新界の建設と未来に向けての新たな展望を見ることができます。

玩物養志(The Fun of Collecting)

2006年8月31日から2007年4月2日まで展覧される、専門展覧館のひとつ。経済的にも豊かで、学識も高い香港市民の中には、社会、文化、歴史、芸術方面への関心も高く、関連した貴重な品々の収集家がいます。今回は、その中でも4名の著名人から、自慢のコレクションを預かり、展示しています。貴重な銀食器、名刺入れ、ガラス食器、中国の髪飾りのコレクションを、個人収蔵品とは思えない1000点近い数のレベルで観賞することができます。香港のお金持ちって……すごい!!まだまだ、このシリーズは今後も続いていくようで、博物館では香港の誰がどんなお宝を収蔵しているのか…いろいろは把握されているようですよ。

まるで、宝石店のようなデコレーションのガラス食器たち。

光り輝く銀食器。こんな食卓で食事をしているのでしょうか??

美しい髪飾りは、古代に実際に使用されていたもの。

趙少昴藝術館(Chao Shao An Gallery)

香港における中国絵画の伝承と振興に尽力を尽くし、後輩の育成など香港の絵画芸術に多大な影響を与えた趙少昴教授の寄贈品を展示した常設展覧館。人となりを記すビデオなど、人柄をしのぶ貴重な文物も展示されています。

“中国国画現代化”の主張を受け継いだ独特の風格のある作品。

そっくりそのままの状態で再現されたアトリエ。

教授の銅像。

商場時代的藝術體驗(MEGartSTORE)

さらに、3階へと上がってきました。ここは、2006年6月4日から2006年11月27日まで展覧される、専門展覧館。会場をスーパーマーケットやおしゃれなブティックなどに見立てて、商業主義的時代における現代アートのあり方を体験するおもしろい内容です。階段や館内のデコレーションもこの展覧にあわせたものでした。

まさに、スーパーの売り場のディスプレイ。お菓子や飲み物のディスプレイはそのものズバリを芸術にしてしまっています。

生活空間の中のアートを意識して。
植物に違うテレビ番組を見せて(実際にはその光源で)その成長の過程をアートとして展示しているのだとか。展示が終了する頃にはどんな風に成長の違いがでてくるのでしょうか?興味あり。

リラックスのための空間も、アートを取り入れました。

こちらは、おしゃれなブティックか、インテリアのお店のディスプレイのよう。

おもちゃの透明な型箱をモチーフに、消費されていく包装品を皮肉ったシニカルな作品。

戦車を作ってみました。中に入ることも可能です。

徐展堂中國藝術館(T.T.Tsui Gallery of Chinese Art)

常設展覧館。世界でも著名な骨董品の収集家であった、徐氏芸術基金主席の徐展堂博士の収集品400点余りを受け継ぎ、この博物館で永久に展示されることになりました。新石器時代から20世紀のものまで、幅広い作品が展示されています。
正面にいきなり現れる大きな仏像。
圧倒されました。

正面にいきなり現れる大きな仏像。 圧倒されました。

この広いスペース!

この広いスペース!

チベット仏教の布にかかれた絵は、寺を離れ修業する僧侶たちが、旅先で経を唱える時のために身につけて持ち歩いていたもの。集団で唱えるときのための大きなサイズのものや、幕のついたものもあります。

閲覧のスペースも、とても凝ったつくりです。

19世紀の仏像。

19世紀の仏像。

チベットの民族衣装。

チベットの民族衣装。

漢代以前から、魏、晋、南北朝、隋、唐、宋、元、明、清まで、各年代別に幅広く展示された陶器の数々。じっくりと見比べていただきたいコーナーです。
壁や出入り口の家具も展示にあわせて美しい中国美を感じます。
いかがでしたか?常設展覧館も厭きの来ない興味深い内容ですし、専門展覧館の内容が、およそ半年くらいの割合で一新していくので、年に何度か訪れてもあきないですよね。また、いろいろなセミナーや催し物が盛りだくさんで、参加型の博物館でもあり、子供から大人まで楽しめる市民密着型ともいえます。郊外へ遊びに来る感覚で、気軽に通える博物館です。是非、訪れてみてください。以上、香港ナビがお伝えいたしました。

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基本情報

  • 住所1 Man Lam Rd, Sha Tin, Hong Kong
  • 住所(中国語)香港沙田文林道1号
  • 電話番号2180-8188
  • ファックス2180-8111
  • 営業時間
    10:00−18:00 (月、水―土)
    10:00−19:00 (日、祝日)
    10:00−17:00(クリスマスイブ、旧暦大晦日)
  • 休業日休館日 火(祝日を除く) 旧暦1月1日、2日
  • 料金大人 $10 (20人以上のグループ、団体は、$7)
         学生及び60歳以上の老人、身体障害者  $5
         ただし、毎週水曜日は入場無料
  • ホームページhk.heritage.museum
  • 行き方1. KCR九広線で紅磡(Hung Hom)駅から、大圍(Tai Wai)駅で、馬鞍山(Ma On Shan)支線に乗り換え、車公廟(Che Kung Temple)駅で下車。
    2. 左手方向に、河に向かって歩く。
    3. すぐ、橋がみえてくるので、橋を渡る。
    4. 右手に見える、大きな茶色の建物が博物館。地図

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-11-15