4年余りのリフォームを終え、ついに旧市庁舎が図書館としてリニューアルオープン!!

こんにちは、ソウルナビです。皆さんは図書館と聞くと少し窮屈なイメージがあったりしませんか?でも今日ナビが紹介する図書館は、ちょっと普通の図書館ではありません。本を借りたり読んだりするのはもちろんですが、カフェや文化館、記念館などが併設され、さらに建物もすごく素敵な図書館!そう、こちらは長い間ソウルの行政の中心であった市庁舎の建物!それが4年ものリフォーム期間を経てこのたび、ソウル図書館として生まれ変わりました!完成を待ちわびていたナビ、10月26日に一般公開されると聞き、やって参りました!それではさっそく行ってみましょう!
ソウル図書館の周辺は?

ソウル図書館は地下鉄1・2号線市庁駅からすぐ。図書館の前にあるのはご存知、ソウル広場。普段は自由にくつろぐことができ、週末にはさまざまな行事が行われています。広場を挟んで正面にはプラザホテルが、左手にはプレジデントホテルがあり、右手には元王宮の徳寿宮があります。こちらでは毎日『王宮守門将交代儀式』が行われ、いつも観光客で賑わってます。また秋になれば紅葉がとってもキレイな徳寿宮トルダムキルもありますよ!
旧市庁からソウル図書館へ!

旧ソウル市庁舎は 日本統治時代の1926年、京城府庁舎として建築されました。終戦後はソウル市庁舎としてずっと使われ、2003年には文化財に登録されました。2002日韓ワールドカップやWBC(ワールドベースボールクラシック)の中継、FTAロウソクデモでは万を越える人が市庁舎前に集まるなど、まさにソウルの中心の象徴だった建物。そんな時代の流れを旧市庁舎は見守り続けました。しかし、すぐ近くに新しい市庁舎が建設されることになり、旧市庁舎は図書館として第2の人生を歩むことになりました。
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日韓W杯・WBC時の市庁前の様子 |
新ソウル図書館

旧市庁舎を4年余りかけて改修、2012年10月にリニューアル工事を終えたソウル図書館。ルネサンス様式の外観はそのまま残り、面積1万8711平方m、地上5階、地下4階の公共図書館に生まれ変わりました。蔵書20万冊、閲覧席390席に7つの書物関連室(一般資料室、障害者資料室、ソウル資料室、世界資料室、デジタル資料室、展示企画室、定期刊行物室)から構成されます。また旧市長室や接見室、企画状況室など当時の旧市庁舎をそのまま復元した展示スペースやブックカフェも設けられています。ちなみに外観に関しては、図書館とすぐ後ろにある新市庁舎が重なりあうような形で見栄えが悪いという声も一部ありますが、逆にそれがいいという声もあります。
<フロア別施設案内>
5階 記念館、テラス
4階 世界資料室
3階 ソウル資料室、ソウル記録文化館、復元空間
2階 一般資料室2、デジタル資料室、ブックカフェ ※市庁舎2階との連結階段あり
1階 一般資料室1、障害者用資料室、企画展示室
◆◇◆ロビー・1F◆◇◆
-一般資料室1、障害者用資料室、企画展示室-
正面にある階段の左右に進み、1階のロビーを過ぎると、障害者用の資料室や子供用の本、企画展示室、一般資料室1、新聞、雑誌などがあります。またコインロッカーや読書ができるスペースなどもあり。
一般資料室には最近2年間発行された社会科学、自然科学など約2万冊の本が配置され、また子供用の本6200冊も配置されています。東側には障害者用資料室があり、点字本など約1100冊が配置されています。
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ロビー・玄関 |
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子供用の本などたくさんの本を揃えてあります |
◆◇◆2F◆◇◆
-一般資料室2、デジタル資料室、ブックカフェ、市庁舎2階との連結階段-
正面にある階段を登ると2Fに。一般資料室2には芸術、言語、文学、歴史分野の本、21000冊が配置されています。中には1階の資料室とつながる階段もあるので1階と2階を自由に行き来することができます。またデジタル資料室では約4200のDVDやオーディオなどの映像資料を利用することができ、論文の原文や国立中央図書館、国会図書館文庫の閲覧サービスも提供されています。この他、利用者の休憩できる空間として、ブックカフェなどの施設もあります。
 パソコンや時には講義なども行われます |
 1Fと2Fの連結階段 |
 市庁舎との連結階段。関係者以外は立ち入り禁止! |
◆◇◆3F◆◇◆
-ソウル資料室、ソウル記録文化館、復元空間-
ソウルの行政の専門資料や情報を知りたいなら3Fに!ソウル資料室では、ソウル市の情報機関が発刊した統計年報や市政概要などの資料約3万点を所蔵しています。また戦前に発行された京城府誌の復刻版(日本語あり)も閲覧することができます。ソウル記録文化館では、写真や公文書などを通し、ソウル市の歴史にふれることができます。
また、中央ホールには旧市庁時代の市長室や接見室、企画室などが保存され、建物がソウル市の行政を担っていた頃の雰囲気を残しています。
◆◇◆4F◆◇◆
-世界資料室-
世界各国から集められた外国語資料室。大使館や文化院などから寄贈や寄付などにより資料が集められ、資料を通じて外国の文化を紹介する多様な分野の本を利用することができます。外には外国語(英、日、中)が使用できるパソコンも配置され、ソウルに住んでいる外国人が自国の情報を簡単に知ることができるようになっています。またソウル図書館を利用するための会員証を発行もしています。(※会員証は外国人の場合、ソウルに住んでいる人またはその証明書を所持している場合に限ります)
 こんな小さな休憩コーナーがあります。もちろん静粛に。 |
 階段の途中には過去の市庁前を知ることができる写真が飾られています |
◆◇◆5F◆◇◆
-記念館・テラス-
「旧市庁舎の痕跡」コーナーには旧市庁舎当時の壁のほか、扉など当時に使用されていた物が展示されています。
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旧市庁舎時代の壁 |
リニューアルにあたって保存された箇所と、リニューアル後の地下構造。その工事の模様もビデオで上映されています。今回の保存にあたっては市庁舎の地下深くまで杭を打つなど、日本統治時代の建物を時間と手間をかけ、大切に保存工事が進められたことがわかります。
旧市庁舎の名残りを探して
全面リニューアルされた旧市庁舎の名残りを探してみると・・・
新しい時計にも注目!

リニューアルに合わせ、時計も新しくなりました。この時計、韓国の時計メーカーが設計したもので、GPSで誤差を調整する最先端のもの。また正午には普信閣の鐘の音が流れるようになっているとか。また夜も見やすいようにライトアップされるそうです。

いかがでしたか?ソウル図書館オープンに合わせ、市庁前広場ではブックフェスティバルが開かれました。まさにソウルの力は本の力!ソウル市民だけでなく、観光客の関心も高いソウル図書館。ナビが訪れた日は韓国の人だけでなく観光客の姿もたくさん見かけましたよ!旧市庁の名残りを残しつつ新しく生まれ変わったソウル図書館は、新たな名所スポットになること間違いなし!皆さんもソウルに旅行で来た際には是非中をのぞいてみてくださいね。以上、ソウルナビがお伝えしました。