文廟エリアのレトロな下町酒場でほろ酔い気分♪ 紹興酒と素朴な肴が味わえる昔ながらの紹興料理店。

こんにちは、上海ナビです。
ナビたち上海在住日本人は、日本から家族や友人が上海に遊びに来たときに連れて行きたいお店リストがいくつか頭の中に入っています。そんなリストの中でも、「上海蟹を食べたい人」「酒好き」「観光地より下町好き」の人に鉄板で喜んでもらえるお店が、今日ご紹介する「孔乙己酒家」。ディープな下町にあるのに、日本人スタッフ常駐、日本語メニューありという、上海ビギナーにもお勧めのお店なのです。早速出かけてみましょう〜。
「孔乙己酒家」に行こう!

最寄りの「老西門」駅は、出口によって改札が違うので注意! 7号出口を目指そう
「孔乙己酒家」があるのは「文廟」エリア。2015年現在、市街地ではどんどん減りつつある昔ながらの古い住宅街が残るエリアです。最寄り駅は地下鉄8、10号線「老西門」駅。行き方を詳しく解説します。
 ①出た方向に進み、 |
 ②中華路を渡ってから右折 |
 ③夢花街を左折 |
 ④「書刊交易市場(現在は閉鎖)」を右手に通り過ぎてすぐの |
 ⑤学宮街を右折 |
 ⑥正面右手にお店が見えてきます |

文廟路入り口です
タクシーで行く場合は中華路と文廟路の交差点で下車を。路地なので徒歩で向かいましょう。
 ①「文廟」を左手に通り過ぎると |
 ②正面右に看板発見 |
 ③矢印通りに学宮街を左折するとお店があります |
店内はこんな感じ。空いている席はほとんどが予約席です。行く場合は事前に必ず予約を。
<こんなお店です>中国に詳しい方なら、店名で紹興料理のお店とわかるハズ。紹興出身の作家・魯迅の小説「孔乙己」から取られた店名どおり、紹興酒と紹興の郷土料理で有名なお店です。上海には本場の紹興酒を味わえるお店が非常に少ないため、酒好き(ナビも含む)の在住日本人は、たとえ場所が不便でも遠くても通っている人が多いんですよ。なので、行くと店内に2〜3組は日本人のグループが。日本人の店員さんもいて、日本語フリーペーパーも入手できます。
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店内には魯迅の胸像や本に関する掲示が |

秋〜冬は蟹目当てのお客さんがいっぱい
また、ここ2〜3年は上海蟹のお店としても有名に。秋〜冬のシーズンのみではありますが、姿蒸しやコース料理などを用意しています。ガイドブックにも登場し、旅行者にも知られるお店になりつつある「孔乙己酒家」。しかも、日本人に人気のお店でありながら地元上海人にも大人気なのです(こんなお店はここだけかも!?)。庶民的な値段と大人数で楽しめる雰囲気が上海人にも受けているよう。そのため、食事時はいつ行っても満席。事前予約は必須です。
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地元の常連さんも多数。にぎやかな雰囲気で大皿メニューがメインなので、3〜4人以上でお出かけを |
上海蟹と紹興料理で大満足♪
ビギナーも通も楽しめるお店「孔乙己酒家」。今回は、何度も通っているナビが三種類の楽しみ方を考えてみました!

スターターは茴香豆、豚の塩漬けなど紹興らしい前菜の3点盛り
<ビギナー向け! 上海蟹食べ尽しコース>※秋〜冬限定です。
「オーダーの仕方も上海蟹の食べ方もわからない!」という方はコース(198元)がお勧め。値段設定も、ほかの上海蟹専門店よりはずっとリーズナブルです。茴香豆、お酒風味の蟹爪蒸しなど、紹興らしい味わいも盛り込まれていて満足感たっぷり!
※一人前ずつ小皿で料理が出てきます。
 ほんのりお酒風味の「上海蟹ツメ蒸し」 |
 濃厚な味わい「上海蟹ミソの炒め」 |
 「上海蟹とブロッコリー煮」 |
 「茶碗蒸し上海蟹ミソあんかけ」 |
 「上海蟹しらこと米麺煮」 |
 定番「上海蟹ミソ豆腐」 |
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コースに付く上海蟹の姿蒸しは一人1パイ。身もたっぷり詰まっています |
 「上海蟹むき身とカイラン炒め」 |
 「孔乙己チャーハン」 |
 「本日のフルーツ」。今日はハミウリでした |

コースの締めには「黒糖生姜茶」が付きます。スパイシーでじわーっと体が温まりますよ。上海蟹は体を冷やす食材なので紹興酒といっしょに食べるのが普通なのですが、このお茶付きならお酒を飲めない方、紹興酒が苦手な方でも存分に蟹を楽しめます。
<中級者向け! 蟹の単品オーダー>
「コースじゃなくてもいい」「とりあえず上海蟹だけ味わってみたい」という方は単品で。メニューは雄と雌のセット(98元)になっていますが、「雌だけ2ハイ」などの変更も可能でした。紹興酒と、ちょこっとおつまみを頼んでのんびり飲みましょう。
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一人何個食べる? |
 おつまみのお勧めは大根の漬け物「極品醤羅卜」 |
 酒好きならピータンも必食 |
 普通の野菜炒めも不思議と紹興酒に合います |

安くて美味。冬は熱燗で
ナビお勧めの紹興酒は、「陳年香雪」(10元/250ml)。ほかにもいろいろ種類があって、飲み比べセットなども試した結果、ナビがいちばん好きなのはこれでした。甘口で飲みやすいので初心者向け。値段も魅力的です。

こちらもまずは紹興酒のオーダーを。竹製のコップを頼むのが通
<上級者向け! 上海蟹シーズン以外にも使える紹興料理&酒>「蟹よりも紹興料理を食べたい」「旅の日程が蟹シーズンではなかった」という方は、こんなメニューを頼んでは? 日本人に苦手な方が多い紹興名物「臭豆腐」も、紹興酒と合わせれば意外においしいと思えるハズ。
 ナスの前菜「杨妈妈手撕茄子」 |
 酔っ払いガチョウ「孔乙己糟鹅」 |
 ぜひチャレンジしたい揚げた臭豆腐 |
 こんな揚げた魚料理も紹興料理の定番 |
 絶品! 鶏の酒煮込み「金牌太雕鶏」 |
 入荷していたらぜひ! ひょうたん炒め |

甘酒のようなやさしい甘さ
スイーツのお勧めは、伝統的な中華デザートの一つ「酒酿圓子」。とろみのある酒粕ベースのなかに白玉団子みたいなお餅が入っています。甘酒みたいな風味で美味。スープみたいにみんなでシェアして食べます。

ジュースやお茶もあるけどイチ押しはこれ!
お酒が飲めない方、子ども連れの方にお勧めのドリンクは「芽根馬蹄水」。トウモロコシやニンジンの甘味がクセになる不思議な飲み物です。体にもよさそう。ピッチャーで運ばれてくるので、こちらもみんなでシェアを。
「孔乙己酒家」の楽しみ方

お店周辺にはこんな路地が残っています
「孔乙己酒家」に行くなら、ナビ的にぜひ楽しんでいただきたいのが食事の前後の路地裏散歩。食事前の夕暮れの風景も、食後のほろ酔いで歩く古い路地の夜の表情も絶品です。観光地や整備された街並ではない、こんな上海の風景も旅行者の皆さんには見て帰ってほしいな。
 クラシカルな果物屋 |
 古い家屋が続く夢花街 |
 文廟路はアニメグッズのお店が多い道 |
 子どもと犬 |
 おじさんの足元にも犬 |
 路地にはニワトリも |

いかがでしたか? 庶民的で地元の人に愛されているのに、日本人ニーズにもしっかり応えているこちらのお店は、数ある上海のレストランの中でもちょっと特別な存在です。本場の上海蟹を食べたい方はもちろん、魯迅に興味がある方、文廟(儒教)に興味がある方、安く紹興酒を味わいたい方など、いろいろな方にお勧めできるのもこのお店の特徴かも。ぜひ皆さんも、上海の下町でのんびりお酒を飲んでみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。