しっとりした古鎮の風情を味わうならここ! 地酒や農村料理を楽しみながら散策してみよう。
こんにちは、マチです。
上海から車で2時間ほどの場所にありながら、大都会とは180度対極ののどかな情景が広がる水の里 「烏鎮」。上海市と杭州市の中間に位置する烏鎮は、国内だけでなく海外からの観光客にも人気の高い水郷古鎮の1つですが、その秘密は1300年以上にも及ぶ歴史の深さだけではないんです。通り沿いが過度に商業化されすぎることなく、時間が何倍もゆっくり流れているように静かな空間は、他の水郷地帯と比べてもまた格別の趣があるんですよ。
さて、今まで水郷に行くといえば “ 上海から日帰り ” を想定されていた方が大半では? しかし、せっかく穏やかな水郷に来たのなら帰りの時間を気にせず、ゆっくり一泊していってみてはいかがでしょう?
今回は、ナビツアーの “ 上海から烏鎮1泊 ” 各ツアーで体験できる午後~夜までたっぷり満喫、烏鎮の1夜を体験しつつご紹介します。
旅の前~~~
ガイド付きの専用車で上海を発ち、烏鎮まで約2時間。都会から田園地帯へと変わりゆく景色を楽しんだり、ドライブインで粽をほおばったりしているうちに、烏鎮へと到着しました。
烏鎮はかなり大規模な水郷で、観光用に整備された 「東柵景区」 と、宿が立ち並ぶリゾートエリアの 「西柵景区」 に分かれています。ガイドさんと一緒に、まずは東柵エリアを散策しましょう。
東柵区内には見所がたくさんあり、明清時代のベッドが展示される 「江南百床館 (江南ベッド博物館)」、清朝末から民国時代の人々の風俗が展示される 「烏鎮民族館」、烏鎮の地酒「 三白酒酒造」、藍染の製造過程を垣間見られる 「宏源染泰坊 (藍染め作業場)」 など、日頃触れることのできない場所が見学できますよ。
通り沿いに立ち並ぶ民家も、よく見ると通常見かけない面白い札がつけられていたり。
こうした鄙びた建物が、今では貴重な存在。歴史の古い建物、資料館、民家の路地などを巡る東柵エリア内の散策はおよそ1時間半~2時間程度になります。
エリアへ
東柵から西柵までは約3kmの道のりですが、ここも専用車があるので移動は楽チン! 到着すると写真のような建物があり、観光客向けのチケットセンターと 「烏鎮民宿」 のフロントが兼ねられています。

チェックインの手続きなどは全てガイドさん任せですが、パスポートはくれぐれもお忘れなく!
西柵エリアへの入場チケットと宿泊場所のルームキーを手に、ゲートをくぐると民俗資料館のような場所に突入するのですが、そこを抜けると船着場。この船で西柵エリアへと移動していきます。
船に乗って、ものの5分ほどで西柵に到着です。岸辺に付くと、さっそく周辺の散策を始める人もいれば、宿へまっしぐらの人々も。

船着場からちょっと歩いた先に、いよいよ今回最も謎の存在だった 「烏鎮民宿」 がありました! この建物内にもフロントがあり、インフォメーションセンターになっています。しかし、すでにルームキーを持つ我らは自分の宿を目指して前進!
写真の左手にズラリと立ち並ぶ2階建ての古民家が、ずばり民宿! 全て運河に面して建つこの長屋建築は、それぞれ建物ごとに番号が振られ、その宿を管理するご夫婦が住んでいます。

どこが民宿でどこが一般民家で、どこが観光建物か分からなくても、この宿を示す看板が見分ける目安になって便利。でも、ガイドさんが付いているので、基本的に迷子になる心配はありません。
紹介しましょう!
水郷にある民宿と聞いて、設備については全く期待せず、歯ブラシと歯磨き粉まで持参したのですが…。ドアを開けてびっくり、なーんとなんと、ちゃんと立派な客室が用意されているじゃないですか!
★2階にあるダブルルーム
こちら2階にあるダブルルームは天井が三角屋根なので、ガイドさんから 「天井が低いよ」 といわれていたのですが、かえって雰囲気があってイイです。ベッドは天蓋付ですが、蚊が侵入しないように、という実用面でも役立ちます。でも、この客室の窓には網戸も付いていたので、夜は天蓋を閉じなくても快適に眠れました。
角部屋には通常なら壁になっている部分にも小窓が付き、さらに雰囲気の良さがUPしています。民宿は運河沿いに建つので、窓の外の景色も自然がイッパイ。
シーツも清潔、ベッドランナーには一般ホテルではなかなか見かけることのない藍染が使われ、こんなところにも烏鎮らしさがチラリ。
★1階にあるダブルルーム
広さは先にご紹介した2階の客室と同じですが、1階の客室は天井が高くフラット。窓が小さいせいで一見狭く見えるかもしれませんが、広さは同じです。また、こちらはティーテーブルとチェアが用意されていないのですが (デスクはあります)、運河側の壁にドアがあり、小さなベランダのような部分が付いています。
※ツインタイプの客室もありますが、シングルベッド2台が用意されることになる以外は、広さ設備ともほぼ同じです。
★各部屋、バスルームはシャワーブース式
洗面台の蛇口脇には、飲料水専用の蛇口が付いています(客室に無料ミネラルウォーターの用意はありません)。

お湯は給湯タンク式になっています。注意事項は、お湯を長時間流しっぱなしにしないこと! (タンクのお湯がなくなり、次の給水分が沸くまで時間が掛かります) シャンプー中、体を洗っている途中はちゃんとお湯を止めていれば、タンクのお湯を使い果たすことなく最後まで快適に温かいシャワーが使えますよ。
★各部屋の共通備品
デスクの上にティーセット (この地域で名産の菊花茶が用意されています) とポットが、デスクの引き出しには延長プラグ/インターネットプラグ/ドライヤーが、ベッド脇のサイドテーブル内にはセーフティーボックスも用意されています。
バスルームにはバスタオル (大、中) /歯ブラシ&歯磨き粉/シャワーキャップ/コームが用意されています。シャワーブース内にボディウォッシュ (シャンプーも兼用?) が付いていますが、シャンプー&リンスの用意はないので携帯用を持参ください。
客室
烏鎮も次第に日が暮れてきました。完全に漆黒の闇に変わる直前が、最も静かで美しい水郷の景色を堪能できる時間かもしれません。先に周辺を散策するかどうかガイドさんに聞かれたのですが、食欲は抑えられず、先にレストランへ。
夜になると、日中とはまたガラリと雰囲気を変える水郷の町並みは、まるで京都の町家をぬって歩いているような錯覚すら覚えます。そうこうしているうちに、レストラン 「錦堂」 へ到着しました。

「錦堂」 は通常会員制のレストランですが、この民宿宿泊のツアーではこちらを利用するそうです。民宿の1階にも食堂があり、てっきり食事はそこかと思っていたのでまたまた予想外の喜び!
お料理の注文もガイドさんに100%お任せ! お味は、どれも美味しい! 正直言って、お料理が目的でないツアーでこんなに美味しいお料理がいただけるなんて予想していませんでした。何かと、予想以上にいいですね、この民宿ツアー!
お豆腐料理は日本人の口にあう美味しさで、ついつい箸がすすむし、紅焼テイストの白身魚もうまい! もちろん紅焼肉も美味しい! 丸いお料理は海老のすり身団子に薄切りピーナツをまぶして揚げたものです。写真の他にも+2品ほどいただきました。
そして
食事も終わり満足した後は、烏鎮観光の目玉でもある遊覧船 (小船) に乗り、水辺から夜の水郷を楽しみます! 船着場へ行くと、他のお客さんも次の船が出るのを待っています。チケットなどは全てガイドさんが手配してくれるので、暫しここで待ちましょう。
ここで乗るのは、1つの船でだいたい6名くらいまで乗れる貸切り船。時刻はもう8時を周り、漆黒の闇が広がる中、ナイトクルーズも期待大!
★ナイトクルーズはこんな感じです
揺れる船から撮影したので少々ボケていますが、こんな情景に囲まれながら船はゆっくり静かに進んでいきます。あまりに心地よかったので時間を計るのも忘れてしまいました…。遊覧時間は長すぎることもなく、短すぎることもなく、ちょうどいい長さです。

次の船着場に到着すると、遠く向こうに塔も見えています。正直言って、今どこにやってきているのか良くわからなくなっているんですが、ガイドさんがいるのでやっぱり安心!
ここから宿までブラブラお散歩しながら戻っていきます。夜の9時にも近い時間帯でしたが、まだカフェのテラスは心地よい夜の水辺で過ごす観光客で賑わっています。
途中で地元住民の日常の1コマをカメラに収めてみたり…。

「あら、夜も果物屋さんが開いているわ」 と思っていると、烏鎮と書かれたこんな巨大なカボチャ (?) も発見しました。大きいけど、この素朴さが可愛いです。
こうしてのんびり周囲の人や景色を楽しみながら、宿までテクテクと歩いて戻っていきました。夜の散策を始めるのがちょっと遅かったので民宿に戻ったのは9時半頃。ガイドさんに翌日朝の朝食時間や出発時間などを確認し、自分の部屋へと戻ります。
~朝がやってきました~
朝食こそは、宿の1階で食べるのかと思っていたのですが、宿とは別棟にある朝食専用の建物でいただきました。ナビツアーの場合はコチラでビュッフェ形式の朝食がいただけます。目玉焼きやチャーハン、蒸しパン、炒め野菜など種類豊富なので、ガッツリいただきましょうね!
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こうして宿泊宿の1階で朝食や夕食を取る旅行客もいます。 |
ちなみに、お隣の民宿のキッチンを覗いてきました。すがすがしい朝の香りがしますよ~!

ちなみにコチラは、私たちが滞在した宿の1階部分です。ここでも食事がとれるようになっています。

地元の人曰く、「早朝と夜の情景を楽しんで初めて、江南地方の水郷美を体験したことになる」 とのこと。特に日暮れの情景は本当に静かで、どこかの雑誌か本でみたことのある情景の中に自分がいると思うと、感慨深いものがあります。
もし朝に余力があるならば、まだみんなが起きだす前の早朝の景色を楽しみに散歩することもオススメします。今回は残念ながら逃しちゃいましたが、きっと味わい深いに違いない!

また渡し舟に乗り、2日目の行動へと移ります。
この 「烏鎮民宿」 1泊の旅、いかがでしょう? 上海からほど近く、全く異空間に来たかのような水郷古鎮で送る趣ある一夜。ちょっとリラックスしたいなんて方には、もう断然オススメできるツアーです。
旅行者だけでなく在住者の方も、週末などを利用してぜひリラックスしてきて欲しい!
そんな烏鎮から、さようなら~!
東柵、西柵エリアのさらに詳しい情報は 「上海近郊の水郷シリーズ-3 烏鎮」 でたっぷりご紹介しているのでぜひご覧くださいね。