中国の鉄道旅行はこの駅からスタートを! ローカル線、高速鉄道、国際列車が発着する大型ターミナル駅。

こんにちは、上海ナビです。
中国旅行といえば、鉄道を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。主流になりつつある快適な高速鉄道はもちろんですが、20〜30時間かかる在来線の旅、モンゴルやロシア、ベトナムへ抜けることができる国際列車など、島国・日本では絶対できない鉄道旅行ができるのが中国なのです。日帰り郊外旅行派も、国境を越えたいチャレンジャーも、拠点はここ「上海駅」。まずは構造や利用法を知っておきましょう〜。
駅前の見どころ、ホテル、飲食店情報はこちらの記事をどうぞ。
「上海駅」基礎知識
○アクセス
「上海駅」は市中心部の北、閘北区にあります。地下鉄は1、3、4号線が直結しているので行き方も簡単。「浦東国際空港」とはエアポートバス「機場5線」で結ばれています。タクシーで向かう場合は、上海駅南口駅前広場の地下タクシー乗り場で下ろされます(駅前に横付けすることはできません)。
 地下鉄1、3、4号線が直結しています |
 タクシーの乗降は駅前広場地下で |

駅前は中心地の繁華街ではありません
○
「火車站」の概念「上海駅」は「火車站(地方都市行きの列車が発着する駅)」です。「地鉄站(市内交通、地下鉄の駅)」とははっきり区別されていて、システムも異なります。日本でいえば、新幹線が停まる駅と、一般的な在来線が停まる駅の違いでしょうか。また、「上海駅」と聞くと上海の中心地のど真ん中の繁華街のなかにあるように思えてしまいますが、割とはずれにあります。東京でいえば位置的に上野駅の感覚に近いかもしれません。
○「火車站」は市内に計4ヵ所
上海市内には「火車站」があと3つあります。行き先や滞在場所によって、「上海駅」以外を使うほうが便利な場合もありますよ。高速鉄道に乗って近郊都市へ行くなら「上海虹橋駅」も便利です。
切符を買おう
外国人旅行者にとってまずネックとなるのが切符を入手すること。現在中国では、鉄道の切符を買う際に身分証(外国人はパスポート)が必要になっています。

南口、北口ともに駅入り口付近にこんな切符売場があります
南口、北口ともに分かりやすい場所に切符売場はありますが、大半が自動券売機。この券売機、ナビもいろいろ眺めて触って押してやってみましたが、中国人の持っている身分証の読み取りのみでき、パスポートは読み取れません。外国人は券売機では切符を買えないということです……。
 が、売場は自動券売機 |
 パスポートを読み取る場所がない! 外国人は買えません |

窓口販売の切符売場は、駅東側のこのビルにあります
そのため、切符を買うには南口の駅広場東側の窓口式切符売場に行くことになります(2014年5月現在工事中のため、売場はビル2階にあります)。が、いつも大行列の大混雑! 頑張れば買えます……。スムーズに買うコツは、構内に掲示されている時刻表で乗りたい列車の番号を調べ、その番号と買いたい枚数、往復(来回)か片道(単程)かを書いたメモ、パスポートをまとめて窓口に出すこと!
 常にこんな行列です! |
 時刻表で乗りたい列車を決めてから列に並びます |
 44、45番は「払い戻し」、47 番は九龍行き専用など、専門窓口があります。分からない場合は、注意書きのない番号に並べばOK |
○ネットで買う
中国語が問題なくできる方は「鉄路客戸中心(www.12306.cn/mormhweb)」のネット予約ページが便利。利用している方も多いのではないでしょうか。値段、席の有無、最新の時刻表などもここで調べられます。ただし、すべての説明、入力ページが中国語なので、ビギナーの方向きではありません。

こんな切符売場が市内各地にあります。こちらは衡山路の店舗
○
切符販売代理店で買う中国語NG、ネット予約は不安、並ぶのはイヤという方は、上海市内だけで200ヵ所以上設置されている切符販売所へ。近郊都市行きなら、乗車日前日でも購入可能です。手数料はかかりますが(約5元)、安心さ、快適さを考えると妥当。ナビのお勧めは、販売員が外国人客慣れしていていつも人が少ない「衡山路店(衡山路2号/人気バー「Shanghai Brewery 東平路店」向かい)」。街歩き中に見つかることも多々。
駅構内に入ってみよう
切符をゲットしたら駅入り口へ。今回は利用者の多い南口から入ることにします(北口の入り口も同じような感じです)。列車に乗るまでの流れはこんな感じ。
※九龍(香港方面/T99)に列車で抜ける方のみ入り口が異なるのでご注意ください。「上海—九龍」の看板の矢印方向へ行きます。
 駅入り口です。発車時間3時間前までの切符を持った人のみ入場できます |
 香港方向へ列車で向かう方は、イミグレのあるこちらの入り口へ |
1、荷物検査
駅入り口でX線による荷物検査があります。危険物、ライターなどは回収されることがあります。
 駅に入ったら、 |
 荷物検査があります |

荷物検査を終えた正面にエスカレーター。両脇上に電光掲示板
2、電光掲示板をチェック検査を終えると、正面のエスカレーター両脇に電光掲示板が見えるはず。ここで、自分の切符の列車番号と発車時刻を見つけます。ナビが乗る列車の番号は「G7054 12:19」でした。この番号の横には、この列車の改札の番号が表示されています。
 切符の行き先矢印の上に列車番号があります(左下、消してある部分にはナビのパスポート番号が印字されています) |
 下から6列目に番号発見! 右に「6」とあるので、6番の改札を探します |

エスカレーターを上がると、こんなコンコースがあります
3、待合室を探す「G7054 12:19」の改札番号は「6」だったので、エスカレーターを上がってその番号の改札に入るための待合室を探します。待合室は、真ん中のコンコース沿いに枝状に設置されています。乗る列車ごとに待合室、改札、ホームが異なるのでご注意を。また、待合室入り口には検問があります。パスポートと切符を見せ、切符にスタンプを押してもらいます。
 コンコースを進むと…… |
 「6」の数字の入り口発見! |
 待合室に入るにはパスポート検査が必要 |

待合室内の様子です。間違っていないか、もう一度自分の切符の番号をチェック
4、待つ各待合室内にはトイレ、売店などがあります。発車20分前には待合室にいるようにしましょう。発車約15分前になると、改札上の電光掲示板に「検票(改札開始)」の表示が出て、乗り込む人たちが改札に向かい始めます。流れに乗りましょう。この改札、発車3分前には閉まってしまうので、発車ギリギリの到着は非常に危険です。
 改札が開くまで座って待ちます。改札開始の放送は中国語と英語です |
 待合室内には売店や、 |
 トイレ、給湯室などがあります |

こちらが改札。上に列車番号が出ています
5、改札からホームへ改札(切符を通す自動改札。一部駅員さんが切ってくれる改札もあり)を通り、列車番号が表示されているホームに下ります(改札番号と、ホームの番号は違うので注意が必要です)。わからない場合は、同じ改札を通った人の後についていけば大丈夫。
 こんな改札です |
 改札が開くと入り口に人が殺到 |
 改札を入ったら流れに乗って進み、 |
 列車番号の出ているホームへ |
 下ります |

ナビが乗るのは、左のまるっこい顔の高速鉄道
6、列車に乗る切符の右上を見ると、自分の席が何号車の何番にあるか分かります。ナビは「2車03C号(2号車の03C番)」だったので2号車を探します。乗り込んだら日本の新幹線と同じように自分の席番号を探します。
 ホームを進み、 |
 乗る番号の車両を探して入り |
 自分の席を探します |
「上海駅」に到着して駅を出るまで
旅を終えて上海に到着したら、こんな感じで市内へ向かいます。
1、列車を降りる
列車を下りたら、ホームの両端にある階段を地下へ下ります。タクシー乗り場、地下鉄1号線駅により近い南口の「東南出口」に出るには列車の進行方向(東側)の階段を下ります。列車後方(西側)の階段を下りると、駅広場西側、恒豊路方面の「西南出口」に出ます。北口へ出る場合はどちらでもOK。
 上海に帰ってきました |
 入るときは2階からでしたが、出るときは地下へ下ります |

階段を下りたところの地下コンコース
2、改札を出る地下に下りたら左右に延びる地下コンコースをどちらかに進みます。進行方向正面に「北広場(北口)」の表示が見えたら、その方向は北口に出てしまうルートになります。北口に特別な目的地がない方、よくわからないけど市街地に早く行きたい方は、必ず「南広場(南口)」に出て下さい。地下鉄やタクシー乗り場、主要ホテルが集まっているのは南口です。
 間違って北口に出てしまう人が多いためか、北口だけ出口に「北広場」と書いてあります。見えたら引き返して! |
 南口に出るためのスロープを上がると、 |
 出口の改札があります |
 駅西側の「西南出口」は主要交通網の乗り場からは少し離れています |
 ビギナーの方、市街地にスムーズに出たい方は「東南出口」へ! |
3、目的地へ
上海駅に直結しているのは地下鉄1、3、4号線。タクシー乗り場は南口の駅広場地下にあります。
 地下鉄乗り場入り口(東南出口地下にも乗り場が直結しています) |
 タクシーに乗る場合は駅前広場のこの入り口から地下へ。駅前の路上では滅多に捕まりません! |
上海駅Q&A
駅と列車について、ナビが今まで聞かれたよくある質問をまとめてみました。
Q:駅構内に食事する場所やお土産を買う場所はありますか?
A:待合室に行くために通るコンコースにはファストフード店や土産物店が並んでいます。品揃えはかなりローカルな感じ。お土産は市内で、食事は駅前で済ませたほうがいいかも。
 主に売られているお土産はローカルな感じの食料品です |
 魚が光ってぐるぐるまわるおもちゃ。レトロな感じの、こういうもの多数 |
 高速鉄道USB。鉄道グッズを売るお店もあります |

ソフトシートの寝台列車の切符を買った方はこちらへ
Q:中国の列車は硬座と軟座があって、それぞれ待合室が違うということをガイドブックで読みました。A:このあたり、内容を更新していない情報誌が多いようです。硬座と軟座の区別がない高速鉄道が主流になった2011年、上海駅の「軟座候車室(軟座用待合室)」は「VIP休閑服務区」に変わりました(中はカフェになっていて、特別な切符を持っていなくても入れました)。が、「軟卧(ソフトシートの寝台切符)」を購入した方のみ「軟卧候車」という特別な待合室に行くことになります。
※高速鉄道が停まらない地方の駅では軟座待合室が健在です。
 かつて南口1階にあった軟座待合室は現在こんな感じになっています |
 以前はここに入る前に改札がありましたが今はスルー。誰でも入れます |

撮影できるのは自分が乗る列車のみ
Q:見送りや列車の撮影のためにホームに入れますか?A:駅の方に聞いてみましたが、入れないとのことです。ホームで見送っている人も上海では見かけたことがありません。列車に乗らずにホームに居座ることもできません(係員に注意されます)。じっくり電車の写真が撮りたい方は「上海駅エリア」の記事をご覧下さい。

この荷物を列車に乗せなければならない人もいます
Q:列車は全席指定ですよね? 遅く入っても同じなのに、なぜ現地の人は我先にと急いで列車に乗り込もうとするんですか? 後ろから押されたりして不快でした。A:長距離列車に乗るということは日本人にとっては旅ですが、現地の乗客の8割は旅ではなく生活のために乗っているようです。出稼ぎの荷物、実家へのお土産、商品など、大荷物を持った人をたくさん見かけると思います。急いで乗るのは、この荷物の置き場所を網棚や車内に確保するため。大荷物を持った人には順番を譲るくらいの心の広さで臨むといいと思います。

いかがでしたか? ここ数年で大変化した中国の鉄道事情。今回ナビも久々に駅へ足を運び、「太原」「大連」「烏魯木斉」など遥か遠くの街行きの列車を見て「たまには列車での遠出もいいな〜」と思ってしまいました。初中国という方は、まずは近場の人気都市・蘇州、杭州から中国の鉄道旅行に目覚めてみませんか?
以上、上海ナビがお伝えしました。