松江区に位置する巨大映画撮影所。日々稼働中の園内で中国映画の制作現場を見学しよう!

こんにちは、上海ナビです。
中国映画や香港映画には日本にも根強いファンがいますよね。今日ご紹介する「上海影視楽園」は、中国10大映画撮影基地の一つとして海外でも有名な場所です。映画ファンならここで撮影された作品を一本は見たことがあるはず。メジャーな香港映画はもちろん、日本で大ヒットしたあのドラマも実はここで撮影されていたりするんです。どんな場所なのか、どの作品で見た風景と出会えるのか、早速出かけてみることにしました!
「上海影視楽園」に行こう!

地下鉄1号線「蓮花路」駅北3口から出発!
「上海影視楽園」への行き方はいくつかあるのですが、今回ナビはいちばんわかりやすい地下鉄1号線「蓮花路」駅からバス「蓮金専線」に乗って出かけてみることにしました。行き方を詳しくご紹介します。
 ①北3口を出た方向(西)に進みます |
 ②突き当たりにバス乗り場が見えてきます。乗るバスはさらに奥にあります |
 ③このバスターミナルから出る「蓮金専線」「蓮楓専線」「蓮石専線」の3路線が目的地のバス停「車墩」まで行きます |
 ④「車墩」まで行くことを確認してどれかに乗車。バス停がないところでも停まるので、いくつめの停留所かは覚えない方がよいです |
 ⑤車内です。ローカル中距離バスなので運賃は5元。出発後に係員が切符を売りにくるので、「車墩まで」と伝えます(メモを見せましょう) |
 ⑥約30分で到着! 係員が声をかけてくれるので、降り間違えることはないはず。降りたら、バスの進行方向とは逆の方向へ歩きます |
 ⑦北松公路との交差点を右折します。道幅が広いので渡るときに注意を |
 ⑧こんな商店街をそのまま進むと |
 ⑨この看板が見えてきます |
 ⑩右手にこんな門が。ここを右折します |
 ⑪そのまま突き当たりまで進むと |
 ⑫「上海影視楽園」の正門があります |
ほか、地下鉄9号線「松江新城」駅からバス「松閔線」で行く方法があります(どれも「車墩」で下車)。最寄り駅は地下鉄5号線「閔行開発区」駅か9号線「松江体育中心」駅(最寄り駅からはバスは出ていません)。最寄りではありますが、どちらの駅からも4〜5km離れた場所にあるため、駅からはタクシーに乗ります。ここまで読んで「ローカルバスは無理!」「難しそう!」と思った方はチャーター車のご予約を。

『カンフー・ハッスル』でチャウ・シンチーがここに登ってましたよね
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「上海影視楽園」の楽しみ方まずは基礎知識から。「上海影視楽園」がオープンしたのは1998年。15億元を投じて建設された撮影施設で、面積は約12万㎡です。撮影された主な中国(香港)映画は、『カンフー・ハッスル』『ラスト、コーション』『花の影』『パープル・バタフライ』などなど多数。そして、実は日本の映画やドラマもここで制作されているんです。主な作品は『華麗なる一族』『わが家の歴史』『LEADERS リーダーズ』『スパイ・ゾルゲ』『魍魎の匣』『李香蘭』など多数。戦前から戦後を舞台にした作品でよく使われているんですね。

連日、本気の撮影が行われています
日本の映画撮影所といえば京都の「東映太秦映画村」が有名です。食事やショッピング、時代劇の扮装をしたスタッフとの記念撮影、ショーの鑑賞など、テーマパーク的に遊べますよね。でも「上海影視楽園」はどちらかというと社会科見学的な要素が強い場所。園内には土産物店も名物を出すレストランもありません。衣装を着た人は撮影中のエキストラなので、記念撮影には応じてもらえません。
 テーマパークのスタッフではなく、全員役者さんです |
 メイクさん。映画の裏方さんたちも本気で仕事中 |
 屋台、お店など、ほとんどセットです。営業してません |

入り口にその日の撮影隊と撮影場所が書かれているので、まずはこのボードをチェック
でも、毎日のように撮影が行なわれているので、映画製作に興味がある方にとってはたまらない場所。できれば平日の午前中からお昼ごろに出かけてみてください。土日祝日よりもたくさんの撮影隊が入っていて、園内には独特な緊張感が漂っています。運が良ければ大スターに会えるかも!?
「上海影視楽園」を歩こう!

入場券売場
入り口右手にチケット売場があります。入場料は80元(高校生以下40元、大学生と60歳以上50元、70歳以上25元)。ブライダル撮影など、個人的なモデル撮影はスタッフ7人まで入場できて1組800元だそう。
 入場料は一般80元 |
 入って右の案内所で切ってもらいます |
園内には案内板が多数あるので安心。撮影中の場所はロープが張られて一時的に通行止めになったりするため、順路どおりにまわることはできないと考えて下さい。また、クルーが乗ったワゴン車や軽トラックが園内を走っているので、歩くときはまわりをよく見て移動を。それでは、主な見どころをまわってみましょう〜。
 案内板 |
 重要なシーンなどを撮影中のエリアは立ち入れません |
南京東路
1930年代の南京東路を忠実に再現したオープンセットです。永楽百貨、七重天など今の南京東路にも残っている建物も。路面電車は約1時間ごとに運行していて、実際に乗ることができます。

「上海影視楽園」のメインストリート
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撮影のために作った街並です。ただし、実際の南京東路と違って車両が通るので注意を |

通りの裏手には古い石庫門住宅が。
南京西路
園の南側には、やや洋風のお店が目立つ南京西路が(お店はもちろん全部セットなので営業はしていません)。奥にはSLが停まったレトロな駅も。

租界エリア風の建物が並んでいます
 こんな建物もあれば、 |
 バラック風の家屋もあります |
蘇州河沿い
哈爾賓公安局のセット周辺は文革時代の雰囲気。川を渡ると清代風の古い街並が広がっています。
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ちょっと時代が新しい感じ。蘇州河には外白渡橋風の鉄橋がかかっています |
大きな教会もありました。ちょっと歩くとすぐに風景が変わってしまいます。
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広場に教会と塔 |

広い人工湖があります
広い人工湖があるエリアも。水辺のシーンを撮るのでしょうか。
ほか、欧風の建物や上海市内の文化財建築・マーラー邸を再現した建物がある欧式庭園などの見どころがあります。思いついた方へ気ままに歩いてみて下さい。
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欧州各国のテイストを持った建物が並ぶ「欧式庭園」 |
撮影クルーに多数遭遇

この日も園内のあちらこちらで撮影が行われていました。残念ながらナビが知っている有名な俳優や監督はいませんでしたが、俳優さんたちの演技を間近で見ることができ大興奮でした!
映像で見てみましょう。戦前の上海に迷い込んだ気分です! こんな撮影が毎日行なわれています。
※スタッフの指示に従い、張られたロープの外で見学します。撮影クルーによっては、写真撮影などを禁止することがあります。

戦時中みたい……
ロケ弁を食べるエキストラの方々も。
「上海影視楽園」攻略法

台湾風カフェなど飲食店2店舗
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食事は?園内には、台湾系のカフェ(サンドイッチ、台湾風軽食など)と、見学者向けのやや割高な上海茶餐廳というレストランがあります。が、ナビはスタッフ食堂「楽園快餐廳」に潜入! 小さいおかず4つとご飯、スープのセットが30元でした。中国の大学の学食や社員食堂の味。スタッフにまぎれて食事できました〜。
 あえて裏手のスタッフ食堂へ |
 店内の様子です |
 メニューはセットのみ。30元でした |

売店が1ヵ所。ほか、ロケ弁当の受付窓口などがあります
ほか、飲み物やお菓子を売る売店が1ヵ所あります。そのほかに飲食店、土産物店はありません(2015年1月現在)。「ちょっと厳しいかな」「せっかくの旅行なので上海名物を食べたいかも」という方は、園内での食事は考えないスケジュールで行きましょう。
※周辺にもお勧めできる飲食店はありません(ローカル店は多数)。こだわる方は市内で済ませた方がよさそうです。

こんなふうに倉庫のような建物が開いていることがあります
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開いている建物にはどんどん入る園内には見学者が入れないエリアや施設が多数あります。でも、ドアが開いていたら入っても怒られないよう。ナビは大道具担当の人の作業場、クラシックカーなど大型の撮影用具置き場などを発見しました。撮影クルーは見学者が来ること前提で仕事をしているので、お客さんたちにはけっこう寛容に接してくれます。
 クラシックカーの倉庫 |
 裏方さんの作業場 |

復路のバス停もわかりやすい!
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帰り方行き方はわかっても帰り方が難しい郊外スポットが多い上海。地下鉄1号線「蓮花路」駅方向のバス停は、行きのバス停がある方向とは逆方向に車亭公路を曲がるとすぐ見つかります(「上海影視楽園」から北松公路を歩き、交差点を右折します。左折すると行きで使ったバス停があります)。また、「蓮花路」駅は乗る方向によって改札が変わるので、行きとは違う入り口から入ります。
☆古代中国の世界が好きなら……
「上海影視楽園」のセットは清代から文革くらいまでの時代がメインです。「映画村と聞いて、もっと古代のセットが見られるのかと思った」「中国映画といえば、『レッド・クリフ』とか三国志モノでしょ?」という方は、無錫にある撮影所「三国城」「水滸城」へ。スムーズに行けるツアーもありますよ!

いかがでしたか? 実際に行くまでナビも、ショーがメインのテーマパークかなと思っていました。が、実際は「本物の撮影現場を見学させてもらえる場所」なのでした。撮影の緊張感まで体感できるとは。ぜひ皆さんも、レトロな屋外セットの中を散策しながら中国の映画製作の現場に立ち会ってみて下さい。
以上、上海ナビがお伝えしました。