著名人たちの旧居や文化財建築を眺めながら、おしゃれな話題店探しを楽しもう。

こんにちは、上海ナビです。
数年ごとに注目を浴びるストリートが登場する上海ですが、2018〜2019年のナビイチオシストリートは今回ご紹介する愚園路。このエリアを詳しく紹介しているガイドブックはありませんし、上海在住の方も「えー、地味!」「日常ではほとんど行かない!」と思うかもしれない通りですが、ナビは個人的に旅行者の皆さんへの散策コースとしてはかなりお勧めなんです。新しいお店もどんどん増えている通りなんですよ。どんな場所なのか、早速歩いてみることにしましょう〜。
「愚園路」へ行こう!

「愚園路」は、地下鉄2、7、14号線「静安寺」駅、2、11号線「江蘇路」駅、2、3、4号線「中山公園」駅をつなぐストリート。通りの中間地点に行くには「江蘇路」駅へ。1〜4号出口を出るとそこが愚園路です。端から歩きたい方は「静安寺」駅か「中山公園」駅へ。

歴史散策をする人のためのこんな地図が設置されています
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「愚園路」とは?静安寺エリアと中山公園エリアの間に延びる約2kmのストリートです。通りとしての歴史は100年以上だそうで、文化財建築、近代史に名を連ねる著名人の旧居(作家の張愛玲、役者の梅蘭芳、学者の蔡元培、エンジニアの銭学森など)も多数。1930年代前後は、市街地から少し離れた閑静な高級住宅地だったのでしょう。少し歩くだけで至るところに史跡のプレートが見つかるので、これをチェックしながら歩くのもお勧めです。
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路地の奥に入ってみると、こんなモダンな洋館がたくさん見つかります。すべて1930年前後に建てられたもの |
少し前まではどちらかというと地味な住宅街だった愚園路。変わったのは、2016年ごろにシェアオフィス(コワーキングスペース)ができ始めたのがきっかけのよう。2018年に入ってからは話題のレストランがいくつか登場し、新しいものや街歩きが好きな人たちが集まるストリートに変化。といっても完全に「おしゃれストリート」になったわけではなく、庶民的な商店や昔ながらの住人コミュニティのほうが多く残っているのが魅力です。
 建物の奥にこんなスペースが隠れていたりしますが、 |
 基本は昔ながらのコミュニティのほうが強く残っているエリア |

一本道を進むだけ。迷いません
ナビが旅行者の皆さんにお勧めする理由は、「静安寺」駅、「中山公園」駅という、日本人旅行者の利用率が高いホテルが集まる地下鉄の駅をつなぐ道だということ。「街歩き」といわれてもどう歩けばいいかわからない方にとって、地下鉄の駅をつなぐ一本道なら迷わないですよね。しかも愚園路は、「観光客がいないところ希望」「地元の人に人気のお店を知りたい」「ベタな有名店は避けたいけど名物は食べたい」「上海の新しい部分と昔ながらの部分を両方見たい」という、よくあるリクエストにも応えられる道。初上海という方も、ぜひぜひ気ままに歩いてみてください。
新しくてレトロで普通の街を歩こう!

この、消防署の建物がある交差点からスタート
それでは早速歩いてみましょう。今回ナビは、静安寺エリア側のこの消防署の建物がある交差点から愚園路に入ってみました(これより西側の愚園路については、下にリンクした「静安寺エリア」の記事をご覧ください)。実際に来ていただきたいので、詳しさ三分の一くらいでお届けします。現地でいろいろな発見を楽しんでください。
※店舗、施設などは2018年9月現在のものです。2018年現在、道路など一部工事しているエリアがあります。

プラタナス並木のアーチ。お散歩にぴったり
まずは鎮寧路との交差点まで歩いてみましょう。プラタナス並木と、古い住宅街、商店街が続きます。
このエリアの注目スポットは、開校100年を超える「市西中学」と、オフィスビル内の隠れ家カフェ「Seesaw Coffee」、ワインバー「Wine Connection」。
 戦前は外国人学校だったという「市西中学」 |
 「Seesaw Coffee」「Wine Connection」のあるオフィス棟 |
さらに歩くと、何棟かの古民家をリノベーションしたシェアオフィス「SPACE」が。この一角にあるフレンチレストラン「TOGETHER」は、2018年現在ナビイチオシのお店です♪
 こんなオフィスで働いてみたい! |
 「TOGETHER」 |

その先には、老舗小籠包専門店「上海富春小籠」が。今年リニューアルし、店内がきれいになりました。「いかにも観光客向け」な小籠包のお店は嫌だという方、ぜひここまで食べに来てください。ただし、食事時は地元の人たちで満席になります。狙い目は午後のおやつタイム!

鎮寧路を渡ってさらに歩きます。すぐ右手に見つかるのは「BRUT EATERY」。安福路の雑貨店「BRUT CAKE」の系列店です。手作りカフェメニューや、お土産にもなるオリジナルドリップコーヒーがお勧め。
ギリシャ食品を扱う「HOW」、烏魯木斉中路にもあるかき氷が人気のカフェ「FINE」、おしゃれなカフェやバーがいろいろ入るマンション「嘉春」などが続きます。気になるところに入ってみてください。

この入り口を入ると……
この辺りの見どころの一つは、754号(入り口の住所番号は750号)のユダヤ式建築の住宅街。今も普通に人が住んでいます。猫スポットでもあるんですよ。住宅地の門はちょっと入りにくい雰囲気ですが、基本的には見学可能なのでぜひ路地を入ってみてください。
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愚園路で猫に会いたい方はここへ |
その先には地下鉄2、11号線「江蘇路」駅が。ここまでで一駅歩いたことになります。あっという間ですね。駅入り口近くには、旅行者の皆さんにもおなじみの「小楊生煎」の支店が。焼き小籠包、まだ食べていないという方はここで♪
 駅入り口が見つかります |
 2号出口の隣に「小楊生煎」 |

この辺りでいちばんの大通り「江蘇路」を渡ります
通り沿いのお店を覗きつつ、江蘇路を渡ってさらに歩きます。
左手、1065号の住所の位置に、愚園路で暮らしていた著名人たちを紹介するこんなスポットが。自由に座って休憩できます。
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散策者用のプチ休憩スポット |

コワーキングオフィスビル
さらに進むと、左手に先ほどと同じ「SPACE」系列のオフィスビルが見えてきます。この建物の下にもブルワリーやステーキハウスなどの人気店があるのですが、注目したいのは手前の三角屋根の看板がないほうの店舗。ここ、「Jeju Izakaya」というお店で、上海人の知人曰く「要1か月前予約」の人気店なのだそう。現時点で、ナビがいちばん気になっているお店です。愚園路って、こういうあまり知られていない名店がどんどん増えてるんですよね〜。
 ステーキハウスも気になりますが、 |
 この右手の、看板がない入り口が話題店「Jeju Izakaya」 |

昔(10年くらい前?)、ここでやってた落語会に行ったな〜
「長寧区工人文化宮(スポーツ施設、交流スペースなどが入る建物)」を右手に見ながら安西路を渡り、さらに歩きます。このあたりも気になる感じのお店がいっぱい。
 食事もできる話題の本屋さん |
 オリジナル香水が人気のお店 |
 激辛串串の専門店 |
 こんな雰囲気の道をさらに歩きます |
 路地の奥を覗くと高層ビルが |

正面にこのビルが見えたらゴール
そのまま道なりに歩いて行くと、ななめにカットしたような形のビル「ルネッサンス上海中山公園ホテル」が見えてきます(併設のモール「龍之夢購物公園」に地下鉄2、3、4号線「中山公園」駅が直結しています)。この位置で愚園路は長寧路に合流。ゴールとなります。「疲れたらシェアサイクルに乗ろうかな」と思っていたナビですが、あっという間でした。ランチ後の軽い散歩なんかにぴったりの距離です。

いかがでしたか? 時間のある方にお勧めなのは、文化財プレートのある住宅街内をくまなく見て歩くこと。昔から住んでいる人たちの生活風景や、レトロな建築デザインもぜひ鑑賞してみてください。また、愚園路におしゃれなお店ができ始めたのはまだ最近のこと。これからもどんどん変わっていきそうなので、ナビも定期的に歩いてチェックしていきたいと思っています。
以上、上海ナビがお伝えしました。