長江(揚子江)を見にプチ冒険! 川の博物館を併設する広大な自然公園。

こんにちは、上海ナビです。
中国を代表する河川といえば長江(揚子江)ですよね。世界の川知名度ランキングなどがあったとしたら、アマゾン、ナイル、ミシシッピなどとともに上位に入ると思うこの長江ですが、その河口が上海市に面しているということ、知っていましたか? せっかく中国に来たのですから、世界的に有名な川を見に行ってみませんか? ということで今回は、その川沿いに広がる広大な湿地を有する自然公園「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」をご紹介したいと思います!
「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」へ行こう!
「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」があるのは上海市の北側に位置する宝山区。最寄り駅の地下鉄3号線「水産路」駅からは路線バスを乗り継ぎます。この冒険感も楽しみましょう。
 「水産路」駅1号出口を出て、 |
 左へ進むと、 |
 すぐバスターミナルがあります |

「宝山11路」の路線図が貼ってある乗り場から出発します。ここが始発です
乗るバスは「宝山11路」。駅から6つ目の「塘后路双城路」で下車します。乗車時間は約12分(意外と近いです)。バスの運行時間は6:00〜18:00(最終が早いので要注意)で、運賃は2元。乗るときに小銭か交通カードで支払います(釣銭は出ません)。15〜30分に1本くらいの間隔で発車します。
 ここに到着します。帰りのバス停は道路の向かいにあります |
 バス停から入り口までは徒歩30秒 |

チケット売り場の向かって右から入場
入り口です。入場料は10元(一般)。日本語の案内板もあるので安心ですね。ほかにも園内には親切な日本語の表示がたくさんあります。
 日本語が各所にあります |
 チケット |

端から端まで歩いて往復すると約4kmのウォーキングができる広さ
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「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」とは?2011年に現在の形でオープンした自然公園です。面積は約106ヘクタールで、そのうち約63ヘクタールが自然のままの湿地帯として保護されています。炮台湾という名前は、清の時代の水軍が砲台を置いていた地だったため。恐らく日清戦争のときに使われたもので、園内には当時のものが置かれています。上海市民の間では、バードウォッチングスポットとして知られているよう。毎年冬になると渡り鳥が羽を休めにくるそうです。
 清代の大砲がモニュメントとして残っています |
 冬場は渡り鳥の楽園に |

多分、日本人は想像できない規模の川。注意書きには従いましょう
「川を見るのに公園の入場料が必要?」と思う方がいるかもですね。でも、長江の河口は貿易用のタンカーや国際路線の客船の主要港が集まる場所。そもそも川まで行く一般道がなかったり、立ち入り禁止、撮影禁止の場所も多く、川沿いは船の関係者以外入れないエリアになっています。日本みたいに河原や土手があるような、庶民的な川ではないということを知っておきましょう。見るなら観光客向けに河原を開放している「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」へ、ということなのです。
広大な自然公園を散策

入り口から川まではこんな散策道が続きます
それでは園内を歩いてみましょう。所要時間はのんびり風景を満喫しながら散策して約2時間。川沿いだけで約2kmあるとのことです。皆さんにはぜひ現地で発見を楽しんでいただきたいので、詳しさ半分くらいでお届けしたいと思います。
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川沿いに散策道が整備されています |

とにかく広い!
長江の河口の幅は約40km(向こう岸に渡るだけでフルマラソンできるくらいの距離!)。その間に崇明島という島があります。向こう岸はもちろん、島さえも見えません。日本とは川の概念がちょっと違うというか、ただただ圧倒されます。
川沿いは木道のようなデッキや吊り橋を渡りながら散策できます。手付かずの自然がいっぱい。

日本行きの客船も出ているそう
北側に見えるのはクルーズターミナルです。運が良ければ豪華客船が停泊していることも。
湿地帯では絶滅危惧種を含む144種類もの鳥類を見ることができるそう。ナビのカメラの腕と性能では今回捉えることができませんでしたが、散策中もさまざまな鳥の鳴き声が聞こえました。真冬には渡り鳥も飛来するそうで、上海中の鳥好き、カメラ好きが集結するそうです。
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パネルが貼ってあります。この日も、巨大な望遠カメラを持った人を見かけました |
こんな見どころも

園内にある博物館
「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」のもう一つの主要スポットは、長江と上海について紹介する博物館「上海長江河口科技館」です。地形、貿易の歴史、生き物の生態などを紹介しています。ナビが訪れた日は社会科見学風の小・中学生がたくさん来ていました。大人も十分楽しめます。
入場料は20元(一般)。※月曜休館
 地形から水質、水の利用法、貿易まで学べます |
 飛来する鳥たちの剥製も展示されていました |

川にこんな巨大魚が。海とつながっているので、ウミガメもいるそうです
一角には水族館もあるんですよ。長江にどんな魚が生息しているのかわかります。

遠足の団体にたくさん遭遇しました
広場や遊具エリアも充実。遊べて学べて、自然に触れられて、遠足にはもってこいの場所かも。ブライダル写真を撮る人、プチキャンプを楽しむ人もいました。
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ミニ遊園地があります |
 ブライダル |
 キャンプ |
 イベントを開催することもあるのかな |
「上海呉淞炮台湾国家湿地公園」を楽しむコツ

こんな感じの売店(トイレ併設)が数カ所あります
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食事園内には売店が数カ所と食堂が一つあります。が、食堂のメニューは今回ナビが食べた写真のセット(30元)のみ。味は正直、微妙でした……。選択肢は、これと売店のインスタントラーメンのみ。なので、園内では食事しないスケジュールにしたほうがよいです。飲み物、お菓子などは売店で販売しています。
 レストランと聞いて行ってみましたが、 |
 メニューはこれ一種類だけ…… |

春と秋がお勧め
○
気候が大事屋外の大型公園で、エアコンの効いた場所はないため、特に真夏は厳しそうです。行くなら3〜5月、9〜11月がお勧め。冬は野鳥観察の人で賑わうそうですが、完全防寒の服装で行きましょう。ナビは以前、冬の長江で川が凍りついているのを見ました。それくらい寒いです。今回ナビが訪れたのは春。園内の花も見頃でとても楽しめました。また、台風上陸時などは高波、増水などがあるそうで、閉鎖されることもあるようです。
○カートを使おう
あまり歩きたくない方、高齢者や小さな子供連れの方は電動カートでの移動が便利。停車スポットが園内に7か所あります。運賃は10元とのこと。
 こんなカートが運行しています |
 路線図と停車スポットの案内板 |

いかがでしたか? 長江というと、なんとなく「ものすごい大河」だということは知っていたナビ。でも今回実際に見て、河口では大自然と貿易の拠点が共存しているのだということを初めて知りました。こういうことって、地理の教科書や地図帳では伝わらないですよね。ぜひ皆さんも、現地で長江の想像以上のスケールを体感してみてください。
以上、上海ナビがお伝えしました。