海鮮料理の食材を扱う店舗が巨大敷地内にぎっしり! 宝山区に位置する大型卸売り水産市場。

こんにちは、上海ナビです。
旅行中、観光地以外で行ってみたい場所といえば、ナビの場合は市場です。特にその国の食文化がわかる食材系市場は皆さんも興味があるのではないでしょうか。でも、上海では2016年に銅川路の水産市場が閉鎖されて以降、「これ!」と言えるお勧め市場が登場していません。ということで今回は、銅川路の市場にあった店舗の9割が移転したというもう一つの市場「江陽水産市場」に行ってみることにしました。どんな場所なのか、早速ご紹介していきましょう。
「江陽水産市場」へ行こう!

「共富新村」駅2号出口
「江陽水産市場」があるのは市街地北部の宝山区。最寄り駅は地下鉄1号線「共富新村」駅です。ちょっと遠いですが、駅から歩いてみました! 約20分です。
 ①出たところは歩道橋上。降り口は左手ですが、下りたら上から見てこの方向(右手)へ進みます |
 ②突き当たりの泰和路を左へ進みます。高速のジャンクションがあるので方向がわかりづらいのが難。地図どおりに |
 ③そのまま7〜8分歩くと、前方に橋へ上がる階段が見えます。この階段を上がります |
 ④橋を渡ります |
 ⑤下りてそのまま進みます。何もなくて不安になる道ですが、そのまま進みます |
 ⑥鉄楊路の入り口に看板発見! ここを右折すると突き当たりが市場入り口です |
☆「江陽水産市場」とは?
総合市場として一般的に利用され始めたのは2009年ごろ。その後、上海を代表する魚市場「銅川路水産市場」の2016年の閉鎖に伴い(移転ではなく閉鎖という発表でした)、規模を拡大して今に至ります。そのため、注目され始めたのはここ1年のこと。まだ発展途上という感じが漂う市場ですが、規模の大きさは銅川路以上。魚介類だけでなく、さまざまな飲食店向けの卸売店が並んでいるので、見て歩くだけでも楽しめます。
 敷地入り口 |
 見取図です |

市場敷地内の案内板
☆
「江陽水産市場」攻略法ナビの印象は、「レジャー市場」という感じだった銅川路の水産市場に比べると完全な「ビジネス市場」。卸売りの店舗がほとんどで、商品を置かずにデスクとパソコン、名刺、パンフだけで営業しているテナントも! 小売店や飲食店との商談のためのオフィスを設けている感じです。そして、水産市場の醍醐味でもある「買った海鮮を調理してもらえる食堂」も、残念ながらありませんでした(2017年春現在)。ということを踏まえ、楽しむコツを以下まとめてみました。
 店舗の様子 |
 とにかく広い! |
 オフィスだけを構える店舗も |
1、小売りしてくれる店を探す!
良さそうなお店を見つけたら、「可以零售吗(小売りもしていますか?)」と聞いてみましょう。その前に、買いたい物をきっちり決めて行くと店員さんがさっさと動いてくれます。
2、「グループ購入」をしよう!
現地サイトの口コミを見ると、「ここの市場は飲食店相手のお店ばかりなので、エビ1箱とかの買い物では値切れない! 同じものを買いたい友人を誘って、買ってから山分けするのがおトク」などの攻略法が。
3、値段が書いてあるお店を選ぼう!
中国の市場は量り売りで一斤(500g)の値段が目安になります。わかりにくいし聞きにくいし、卸売りの適正価格が更新されるサイトは中国語のみ(http://www.fishery.org.cn/fishery/)。なのでビギナーの皆さんは、値段が書いてあるお店での指差し買いが確実です。
 高級飲食店向けのオシャレ問屋も |
 店頭にあるのは見本の場合があります |
 カキ、特大20元、大18元。値段が明記されているお店は安心 |

あと、念のためですが、日本の魚市場のように周辺においしい海鮮料理店があったり、競りをやっていたり、商品をその場で食べさせてくれたり、ということはないのでご注意を。あと、魚市場といってもそんなに早朝に行かなくても大丈夫です。業者やお客さんで混み合うのは15時ごろのようです。
巨大水産市場を歩こう!

それでは市場内を歩いてみましょう。敷地内は扱う商品ごとに5〜6ブロックに分かれていて、その間は車道になっています。上海蟹エリア、ザリガニエリアなど、シーズンもののブロックは季節によって閉まっていることがあります。
 海鮮区。生きた海鮮を中心とした総合的ゾーン |
 干貨区。フカヒレなどの乾物と調味料のエリア |
 淡水魚区。上海蟹、ザリガニなどもここで |

見応えがあるのは、生きた海鮮のお店
お店の種類はこんな感じ。店先に水槽を出し、生きた海鮮を扱うお店、乾物や調味料を扱うお店、日本料理の業務用食材専門店、洋食の業務用食材店、きのこなどその他の食材を扱うお店などがあります。看板などを見ればどんな商品を扱っているのかがわかります。
 日本料理店向けの問屋 |
 火鍋店向けの問屋 |
 東南アジア、韓国系の調味料のお店 |
 パティスリー向けの問屋 |
 きのこ専門店 |
 精肉の問屋もあります |
 コンビニ風だけど、意外に小売り不可のお店も |
 ステーキ用の高級肉店が目立ちます |
 淡水魚いろいろ |
 マナガツオ |
 カニ |
 サーモン |
 カキ |
 クラゲ |
 ナマコ |
 トコブシ |
 ロブスター |
 シャコ |
 タコ |
 ホタテ |
 イカ |
 毛蟹 |
 アサリ |
 フカヒレ屋さん |
 寿司ネタ系冷凍商品も揃います |
 焼き魚に添えてあるショウガ |
 多分、広東料理店でよくみる東星斑(スジアラ) |
 袋詰めされて出荷。ビニール袋にぴったりフィット |
 目が合ってしまった |
 ザリガニです |
 象鼻蚌(ミルガイの一種) |

日本酒が種類豊富。意外な収穫でした
日本料理の食材はスーパーよりも断然お得! 日本酒や焼酎が安いことがわかったのも収穫でした。後日、市内のデパート「久光百貨」で値段を見てみたところ、全体的に市場のほうが20〜50元安かったです(劇的に安いわけではないけれど、得した気分にはなれます)。在住日本人の皆さんは、数人でタクシーや配車アプリを使って行くのがお得かも。
 上海でも大人気の獺祭。180mlの瓶は100元前後〜 |
 焼酎、梅酒、ゆず酒などもいろいろ見つかります |
 しめさば6元! スーパーだと18元くらいしますよね |
 いくらは一箱180元とのこと |
 天ぷら粉(11元)。ほか、ソース系、スープ系調味料も |
 上海ではお馴染みの「お城納豆」は7元でした |
市場の風景

買い物や商品を見るだけでなく、バックヤードや働く人を見るのも市場の楽しみですよね。新しい市場なのでレトロ感や味はあまりありませんでしたが、こんな風景が見つかりました。
 お店の人は市場内に住んでます。頭上に洗濯物が |
 お手伝い中 |
 市場の人向けの行商リヤカー |
 上海蟹の仕分け作業 |
上海はどこの市場もそうなのですが、犬や猫といっしょに店番している人が多い! お店にいる子は人なつこいのですが、倉庫などの前にいる犬は番犬として働いているので近づかない方がいいかも。でも、みんなきっちり仕事しています。
ここまで読んで「ちょっと業者向け過ぎる市場だな」と思った方もいるかもしれません。そんな方にお勧めなのは、よりローカルで庶民的な魚市場「東方国際水産中心」。船着き場に隣接していて、テントで魚を売っていたり、カニや貝の塩漬けなど昔ながらの調味食材も扱っています。

いかがでしたか? 立地、歩き方、買い方など、旅行者にはちょっとハードルが高い市場かもしれませんが、行けば観光地では見えない上海が見えてくるハズ。2017年現在はまだ空き店舗が多い状態だったので、今後もう少し知名度が上がれば観光客向けのお店も登場してくるのかもしれません。市場が活気づく上海蟹シーズンに出かけるのもお勧めです。
以上、上海ナビがお伝えしました。