烏龍茶の王様「大紅袍」に出会える!日本語堪能で親切な店主のいる茶葉屋さんなら、中国茶初心者でも安心!

こんにちは、上海ナビです。
中国土産といえば、まず思いつくのは中国茶。でも、観光地や空港で売られている「いかにも土産物」的なものは味が心配だし、けっこう値段も高かったりします。かといって、茶葉市場で買うには少しは中国茶の知識が必要。試飲するにも量り売りで買うにも中国語力が必要です。「じゃ、どこで買えばいいの!?」という方に、ナビがお勧めしたいのが「御茶荘」。上海を代表する茶葉市場「大寧国際茶葉城」内に位置する人気店です。
「御茶荘」に行こう!
「御茶荘」の最寄り駅は、地下鉄1号線「延長路」駅。行き方はこんな感じです。
 ①「延長路」駅3号出口を出ます |
 ②出て右手の共和新路を |
 ③右(南)へ進みます |
 ④左手、高架下に「大寧国際茶葉城」の看板が |
 ⑤陸羽(ですよね?)の像が見えたら右折 |
 ⑥すぐ左手に「御茶荘」の入る茶葉市場が見えてきます |
 ①正面入り口を入って、 |
 ②奥のエスカレーターで2階へ |
 ③降りてすぐ、「上海ナビ掲載」の看板が! |
 ④エスカレーターを降りて正面左手へ |
 ⑤最初の角左手にお店が |
 ⑥角地なのでわかりやすいかも |
あんまりガイドブックなどで紹介されていないこのエリア。でも、「人民広場」駅からは5駅目と意外に近いんですよ。また、雑技会場がある「上海馬戯城」駅とは1駅しか離れていません。雑技鑑賞のついでに立ち寄ることも可能ですよね。近くにはこんなスポットがあります。
「御茶荘」の名物は岩茶!

予習するならこの本がお勧め
岩茶という種類のお茶をご存知でしょうか。福建省武夷山の岩肌にへばりつくようにして生えているお茶で、中でも大紅袍は千年以上の歴史があるお茶なんです。「御茶荘」の主力商品はこの大紅袍。う〜ん、なんか、烏龍茶やジャスミン茶みたいなメジャーどころを主力にしてないところが通っぽくていいかも。このお茶にはこんな逸話があるんですよ。お土産話にぜひどうぞ。
<大紅袍の由来>
ある人が科挙の試験に向かう途中で病気に。でも、このお茶を飲んだら治って見事試験にも主席で合格したそう。その後、その人は試験の象徴である紅袍(赤い衣)をそのお茶の木に着せかけたそうです。伝説には病気になる人の話が多く、皇帝であったり、皇后であったりしますが、「病気を治す」ということは共通しています。お茶は昔から薬として珍重されていたんですね。

「御茶荘」の岩茶はすべて自家製
この伝説の原木は今でも大切に守られており、茶葉は年間数kgしかとれない大変貴重なものなのだとか。そのため偽物もとても多いのだそう。今日ナビが訪れたお店「御茶荘」は、福建省のまさに武夷山出身のオーナーが経営するお店なんです。ご両親が茶葉を栽培し、親戚が成形、それらを直接仕入れているので、まさに、偽物の入る隙がない正真正銘の「大紅袍」です。扱っているのは、その伝説の原木に接ぎ木や挿し木された二、三代目にあたるお茶の木からとれたもの。こちらもかなりの貴重品ですよね。
心ゆくまで試飲をしよう!

それでは早速、オーナーの葉さんにお茶をいれてもらいましょう。葉さんは日本語が堪能なので、細かな要望や質問にもていねいに対応してくれます。岩茶を初めて飲む方は、「馬頭岩肉桂」など50g80元クラスのお茶がお勧め。「もともと岩茶は愛飲しているので、もっとめずらしいものがないか探したい」という通の方には、「百年老枞」など50g380元クラスがお勧めだそう。苦めでコクのあるお茶が好きか、花のようなさわやかな香りが好みかで選んでもらうことも。
「値段が高めのお茶は2013年から入荷しました。なかなか採れないお茶だということもあって、300元/50g以上のお茶は試飲を有料にさせていただくことにしました。ですが、そのお茶を購入していただければ無料です。80元クラスのお茶はもちろんすべて試飲無料ですよ」と葉さん。良い物を扱っているということがわかりますし、良心的だなと思います。

が、お茶はやっぱり値段ではなく味で決めたいもの。ナビが試飲させてもらったのは、「佛手」という岩茶です。いれたあとの茶葉を広げると、仏像の手のような大きさと形になるためこの名前がついたそう。烏龍茶よりもまろやかで香りの良いお茶でした。
 茶葉が、 |
 お湯を注ぐと広がり、 |
 こんな大きな一枚の葉に |
もう一つナビが気に入ったのが桐木紅茶という、紅茶の一種「百年老枞」。紅茶だと言われなければわからないような、やわらかい風味と甘みが印象的です。
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何番茶でも、冷めてもおいしい紅茶なんて初めて! |
どれもおいしくて選べないと思ったナビ。値段を見ずに良いお茶を見極める方法を葉さんに聞いてみました。するとこんな答えが。

ゆっくり試飲してみよう
「お茶は人づきあいと同じです。最初印象が悪かった人ほど、後になって良いところが見えてくる。でも、最初印象が良かった人は、うわべだけでのつきあいになりがちですよね。お茶も同じです。いいお茶は、入れれば入れるほどおいしくなる。いちばん茶よりも4番煎じ目がおいしいお茶を選んで下さい。本当においしいお茶は10番茶でもおいしいんです」
なるほど〜。試飲の間、葉さんがどんどんお湯を注ぎ足してどんどん飲ませてくれる理由がわかりました。それぞれのお茶を4番茶以降までじっくり味わいながら試飲できるよう、のんびり時間をとって訪れた方がよいかもしれません。
こんなお土産も

2013年に改装工事を行い、リニューアルオープンしたばかりの「御茶荘」。店内では、以前は扱っていなかった茶器も選ぶことができます。すべて国家級の美術師が手作りしたものだそう。

そのほか、ここでは書ききれないほど岩茶うんちくを披露してくれた葉さん。中国茶に対する目からうろこな考え方や、選び方、入れ方などもじっくり聞くことができました。この知識だけでも聞きに行く価値アリ! ただ、毎年4〜5月は産地である武夷山にお茶の仕入れに行くため、留守にすることが多いそう。心配な方は電話をしてからお出かけを。

いかがでしたか? 「中国茶って、帰国してから入れるとおいしくないんです。どうしたら日本でもおいしく飲めるんですか?」「急須で入れるのと、蓋付き茶碗で入れたお茶は味が違うんですか?」「ぶっちゃけ、困るお客さんっています?」など、素朴な質問にも誠実に答えてくれた葉さん。中国茶初心者も、岩茶通の方も、ぜひ一度「御茶荘」に出かけてみて下さい。今までの中国茶のイメージが変わってしまうかもしれませんよ。
以上、上海ナビがお伝えしました。