台湾東部の池上郷は、台東県の最北端に位置しています。中央山脈と海岸山脈にはさまれた花東(花蓮と台東のこと)縦谷というエリアで、固有の生態を持つ断層池でもある大波池が清らかな水をたたえています。広大な稲田を持つ池上郷は、近年その景色の美しさで有名になりました。この果てしなく続く緑の稲田の道で、自転車をこぐ人たちが急増。イケメン芸能人の広告もあって、観光客は更に増加しました。池上郷は住民の多くが稲作に従事し、池上米は高品質で、台湾全土で池上弁当の看板を掲げる店がその名を更に広めています。日本人がこよなく愛する駅弁で一番おいしいとされる池上弁当もこちらが本場。
「全美行」は台鉄「池上」駅の真ん前で、駅弁の老舗。以前は毎日駅のホームで駅弁を販売していました。入って左のカウンターで90元を支払った後、チケットを持って奥の引換所でお弁当と引き換えます。基本は傳統招牌と素食(ベジタリアン)のみの取り扱いですが、数量限定で排骨(豚肉のスペアリブ)と雞腿(鶏もも肉)各100元も販売しています。店内でいただくなら箸やスープなどはすべてセルフサービス。スープは台東名物の金針花スープが多いです。今回ナビが食べた「傳統招牌」のレトロでかわいい弁当箱を開けたら……中身は、豚肉の切り身炒め、香腸(台湾ソーセージ)、キャベツとニンジンの炒め物。滷蛋(煮込みたまご)、魚の天ぷら、高菜の甘辛漬物、ショウガ、たくわんなどなど。いい匂いがするおかずの下においしい池上米がぎっしり敷かれています。
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スポット登録日:2015-03-18