阿里山鉄道の途中駅「奮起湖」で売られ、セブンイレブンでも長きにわたり親しまれているお弁当です。が、現地で食べる味は、コンビニとは全然違います。美味すぎるという絶賛以外の言葉が見つからないほど!!ナビは各地の駅弁をいろいろ食べてきましたが、「奮起湖便當」は、台湾で「1番」と断言したい旨さでした。
1960年代以前、登山食堂二代目の「林金坤」さんは10歳の少年で、母親の手伝いで毎回駅までお客さんのために麺を運んでいましたが、自分の背の高さを越える列車の窓へ食べ物を運ぶのは大変だったそうです。当時観光客の多くは嘉義で弁当を買っていたのですが、夏場など奮起湖に着いた頃にはもう弁当が腐っていました。そういうことがあって登山食堂ではやがて弁当を販売し始めます。1967年、林さん家族の弁当はとても有名になっていて、1日1000個も売れていました。ところが、阿里山への道路がまだ開通していないとき、唯一小さな登山列車が阿里山へ行く交通手段だったのが、1982年の阿里山公路の開通によって、皆弁当を買わなくなり、林さん家族は観光客を対象とする経営の転換を余儀なくされました。
その後宿泊としての「奮起湖大飯店」も経営し始めました。時代は何十年も経ちましたが、お弁当は昔ながらの弁当の入れ物に、より一層おいしい具材を提供することで、食事処は平日でもいつ行っても満席。奮起湖では不動の地位を築いています。よく煮込まれた豚肉とチキン、煮卵がバランスよく、米は台東産を使用。付け合せの野菜は阿里山産が中心で、冬場は甘いキャベツも入っています。ここまで来て食べる価値ありの駅弁です。現地で食べる場合120元、テイクアウト100元。
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スポット登録日:2015-09-15