田園風景に囲まれた伝統的な三合院建築は雰囲気抜群! ここで客家料理を食べてDIYも楽しみました♪

こんにちは、台北ナビです。
今日は新竹縣關西鎮にある「羅屋書院」をご紹介したいと思います。ここは100年の歴史がある三合院式の建物。ここが羅氏家の私塾の役割を果たしていたことからこの名前がつけられました。現在は、客家文化をより多くの方に広めるという役割を担い、地域復興にも繋がる様々な試みを行っています。
今回ナビは「羅屋書院」で、客家菜包を作り、客家料理を中国楽器の演奏を聴きながらいただきましたよ~。
田園風景に囲まれた歴史ある建物

「羅屋書院」は、新竹縣關西鎮南山里にあります。ここら一帯はすべて苗字が「羅」の集落。ほとんどの家が山を背に家を建て、その前方に田園を作り、農業に勤しんでいました。客家人らしく教育を重んじた羅氏。文人の集まる場所、そして教育を受けられる場所として、1901年(1904年という説もあり)から作り始め、12年の年月をかけて「羅屋書院」を完成させました。
なぜこれほどまでに建設に時間がかかったのかというと、建材のほとんどを中国から運んできたから。その頃は車がなかった時代。大溪まで建材を船で運び、そこから牛車や台車を使って、山を越えて運んだそうです。
 この日は生憎の雨でしたが、稲は水分を得てみずみずしい!天気がいい日は、子どもはあぜ道を走り回れますし、大人は童心に返って、自然と笑顔になりますよ~ |
 この田園風景をカメラにかわいく収められるフレームも準備!自由に使って楽しい写真を撮ってくださいね |
建物は北を向いており、「一堂四橫」という造り。正堂には「關公(関羽)」がまつられていて、前方には雨よけのようなポーチ「檐廊」があります。左右の橫屋にある入口は少し凹んでいますよ。
左橫屋(正堂に向かって右側)の居間を学びの間として使用し、ほかの空間はすべて羅家の者たちが使っていたといいます。造りだけをみれば一般的な「書院」と同じですが、使い方は全く違うといえるそうですよ。
 內院の壁にある「天公龕(玉皇大帝の象徴)」。中庭から見える場所にあり、農作業を終えて休憩したり、お食事をしている姿を神様が見守っていたのでしょう! |
 橫屋の入口はへこんでいます |
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単独で撮影できなくてごめんなさい!赤レンガを組んで作った迷路のようなものが見えますか?これは正堂の壁にあるのですが、卍の先を途切れることなく伸ばしているデザインなんですよ~ |
 檐廊兩側には老翁と文生の泥塑が! |
 セメントで作られた「竹節窗(竹の窓)」。1本ずつ違う竹が表現されています |
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「澠池之会」、「赤壁の戦い」などのストーリが剪黏や交趾陶で語られています!ガラスで守られているので、今なお鮮やかな色をしていますね |
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精巧な石彫がいたるところに見られます |

正堂檐廊は中国北方でよく見られる抬梁式架構!細部にまで行き届いているすばらしい木彫は必見です。中央にあるぷっくり膨れた瓜筒の上にねずみがかぼちゃをかじっている様子が刻まれています。これには「子孫繁栄」の願いが込められているのだとか
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唯一東北の方向を向いている「門樓」。門の前の道は元々石板だったそう……。門樓の横には以前の様子を撮影した写真があるので、見比べてみてくださいね |

公廳
より高い教育を受けさせたいという思いのもと、優秀な教師を招きいれ、彼らの宿舎も建てました。それが書院後方に位置するところにある「得月樓」です。
現在の建物は以前のものを少しまねて作られていますが、特徴的な屋根は残念ながら見られません。
自らの一族の教育レベルを高めるために、教師の住まいをも作ってしまうとは……。客家人は教育に力を相当注いでいたのだなと感じました。
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得月樓 |
客家小吃「客家菜包」を作ってみよう!
中庭では「客家菜包」DIYが開催されます。今回ナビも挑戦しました。
まずは先生がお手本を見せてくれるのですが、とっても「簡単そう」なんです。在来米や餅米から作られる皮をこねます。ある程度形になったら、丸めて手の平にのせましょう。皮の真ん中に親指を入れながらまわしていくと、薄いお椀のような形になります。そこに予め準備してくれている千切り大根・ひき肉、ねぎなどを炒めた餡をたっぷりいれて、封をしたら出来上がり!ね?簡単そうでしょう?
 こねるのは結構力が要ります |
 男性の力を得て、こねこねスピードがUP♪ |
 餡は炒めた後、熱を冷まして冷やしてから包みます。そうしないと皮が破れてしまうそう |
 お椀を作って餡を詰める! |
 手取り足取り教えてくれる先生 |
 横にいる人と教えあうと仲良くなれちゃう |
ナビも意気揚々と始めてみるも……どうもお椀の形になりません。え~ん。
先生にちょっぴり手伝ってもらい、何とか完成させましたが、お世辞にも上手とは言えない出来上がり……。ひとり2つ作れたので、1つはオーソドックスな形。もうひとつは羅屋書院の屋根の形を真似て作ってみました。
お料理を学んでいるというよりは、粘土工作を楽しんでいるような雰囲気。周りを見渡してみると、猫、金魚、犬など様々な「客家菜包」が包まれていましたよ~♪

台湾の方々は発想が自由!!
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ナビが一生懸命作った「羅屋書院」。どうでしょう?似ているでしょうか?? |
包み終わったら、蒸しあがるまでの時間を利用して、羅屋書院のガイドが行われます。羅屋書院について理解を深めて帰ってきたら、「客家菜包」の出来上がり~。
ナビ渾身の「客家菜包」は蒸された後、屋根の跡形がなくなり悲しいことになっていましたが、ほかの方の「客家菜包」はかわいいままでしたよ~。いいなぁ~。でも、自分で包んだ「客家菜包」は最高においしい!!
※10人以上、要予約となります。
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蒸しあがりました~! |
中国楽器の演奏を聞きながら、辦桌を!

ナビが訪れた日は特別に中国楽器の演奏とお茶会も開かれていました。
こちらでいただける客家料理は、母のぬくもり溢れるお味。客家料理自体がお醤油をベースにしているものが多いので、そんな風に感じてしまうのかもしれないのですが、やはり台湾のどこの客家料理屋さんで食べるお料理よりも優しさが伝わるんです。
もしかしたら、戸外で円卓を囲んでワイワイと食べているという雰囲気も一役買っているのかも……。

二胡と琵琶の演奏を聴きながら、あたりがどんどん暗くなっていき、羅屋書院もライトアップされます。
心地よい音楽を聴いていると、昔にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に陥ってしまいました。
こんな贅沢な時間を過ごせるなんて、幸せだなぁ……と夢見心地に☆

賴傳莊さん
ここで、「野茶」という聞きなれないお茶が振舞われました。
野茶とは自然農法で育てられ、手摘みされた茶葉。このお茶を作っているのは賴傳莊さんです。元々金融畑を生きていましたが、現在は野茶農家&茶器作家として活動しています。
この日も賴さんの茶壷で野茶をいただきました。何ともいえないほんのりとした甘みが特長のお茶は、オリジナルの焙煎方法により作り出されるのだそう。
お湯を継ぎ足す度に味がどんどん変わるのがとても興味深かったです。
 木から作ったのかと思ってしまった茶壷 |
 パッケージもシンプルでいいねっ! |
 淡い琥珀色 |

のんびりとした雰囲気の中で客家文化をストレートに味わえる「羅屋書院」。ここでは、上記のDIY体験のほか、關西鎮を巡る半日・1日ツアーも開催しています。これらはある程度の数の申し込みが必要なので、個人での参加は運次第ですが、宿泊は2名様から可能です。
素朴な客家文化をより多くの方に体験してもらいたいなと思います。
以上、「客家菜包」作りのリベンジをしたいナビがお届けしました。