今も私達を惹きつけるタイ族最初の王朝といわれるスコータイ王朝の都に花開いた世界遺産の仏教遺跡群

サワッディーカップ、バンコクナビです!タイ北部にはかつてタイ族最初の王朝であるスコータイ王朝が13世紀に開かれました。「幸福の夜明け」を意味するとおりにタイの歴史の幕開けといえる時代のはじまりです。第三代王ラームカムヘーンの時代では勢力を拡大し、王朝を大国にまで発展させました。かつてはスコータイ王朝の都として花開いた現在のスコータイには当時の寺院や建造物などの遺跡が多く残っており世界遺産にも登録されています。今回はその中心であった歴史公園や、スコータイから北に1時間ほどの場所にあるシーサッチャナライの遺跡をご紹介します。では悠久の歴史のたびへ出発!
スコータイまでのアクセス

スコータイまでのアクセスは、バンコクから行くにはスワンナプーム国際空港からバンコク・エアウェイズ(PG)の直行便が出ています。所要はおよそ1時間20分程。バンコク旅行のオプショナル的な小旅行としては飛行機がよいでしょう。また、日程に余裕のある方はバスの旅はいかがでしょう。スコータイ行きはバンコク北バスターミナルに発着しています。所要はおよそ6時間程。あとやはり鉄道がいいという方にはバンコクのフアランポーン駅からピッサヌローク駅、またはサワンカローク駅下車(所要約7時間)し、路線バスでスコータイまで(所要約1時間)という行き方があります。
 バンコク北バスターミナル |
 スコータイバスターミナル |
スコータイ歴史公園

新市街からバスで30分、スコータイ市内の旧市街地にかつてのスコータイ王朝の都がありました。その面積約70平方キロメートルの広大な場所をスコータイ歴史公園としてタイ国文化庁によって管理・保存されています。三層からなる城壁の中には、代表的な寺院であるワット・マハタート、ワット・シーサワーイ、ワット・サ・シー、城壁の外はワット・シーチュム、ワット・プラパイ・ルアン、ワット・サパーンヒンなどがあります。園内には車やトゥクトゥクの乗り入れもできますが、レンタルサイクルがたくさんありますので、自転車でまわるのもおすすめ。またトラムも園内を走っています。
 新市街地からの歴史公園行きバス |
 レンタサイクル「オー」 |
 レンタサイクルで地図をもらう |
 トラムでのんびりまわるのも悪くない |
ワット・マハタートスコータイ歴史公園内でも代表的な遺跡で、広い敷地の中に多くの仏塔や仏像を見ることが出来ます。13世紀に花開いたスコータイ様式の建造物は以前の支配国であったクメール王朝の影響を残す中、スリランカとの交流で取り入れられたスリランカ様式の丸みのある仏塔が点在しています。あと、何といっても壁にを両方に囲まれた仏像や静かに佇む坐像が印象的ですね。
 門の向こうに広い敷地の遺跡が見える |
 正面のメインともいえる場所の仏像 |
 両脇を壁で囲まれた印象的な仏像 |
 点在する遺跡をまわる観光客 |
 様々な様式の混ざったスコータイ様式 |
 どの仏像も優しい顔をしている |
 仏塔に下にはこのように仏像が多く座している |
 木々も趣がある |
ワット・サシー園内の池に浮かぶ小島に建てられた遺跡で、橋を渡って遺跡の敷地内へ行きます。緑の植物が多い歴史公園の島に渡るのはなんとも気持ちがいいですね。円すい型の仏塔の手前には美しい曲線の遊行仏があります。祭壇には柱の向こうに大きな坐像がありバランスのとれた景観となっています。後ろを振り返るとまた橋がかかっておりこちらは四方柱だけの祭壇のような場所になっています。
 橋を渡ると美しい遊行仏が |
 仏塔の前には坐像が静かにこちらを見ている |
 特徴的な祭壇の柱 |
 まさに島の上の寺院 |
ワット・プラパーイルアン城壁から出てやや北西の方向に進むとワット・プラパーイルアンはあります。ワット・マハタートに次ぐ重要な位置づけの遺跡群で、建てられた時代も古く12世紀末まで遡るものもあるようです。アンコールワットで有名なクメール様式のとうもろこしのような形の仏塔が点在しています。多くは倒壊していますが、広々とした緑の敷地に点在する様はこれぞ遺跡といった感じ。
 料金所から橋を渡る |
 広範囲にわたる寺院跡 |
 倒壊したものが多い |
 クメール様式調の仏塔 |
ワット・シーチュムワット・プラパーイルアンから西に数百メートル進むとワット・シーチュムはあります。敷地内に入ると壁の間から仏像がこちらをジッと見ています。思わず驚いてしまいそうなこの遺跡は四方を壁で囲まれた仏像を中心に重厚な感じのつくりになっています。とにかく仏像の存在感が印象的な遺跡です。
 壁の割れ目からこちらを見る仏像 |
 中では参拝客が線香を捧げている |
 横にも小さな仏像が |
 料金所横の資料 |
ワット・サパーン・ヒンワット・シーチュムよりさらに西へ3キロほど離れた場所にある遺跡。山の上といった感じの高台にあり、石を敷きつめた坂を登っていきます。自転車などでまわられている人には最後の難関的に体力を使いますが、頂上からの景色がとても清々しいですよ。仏像も静かに参拝客を待っているような感じがほっとさせられ落ち着きます。
 街道に表示されている看板 |
 石畳を登る |
 立像と坐像が静かに佇む |
 頂上からの景色 |
シーサッチャナライ歴史公園

スコータイ市内から車で北へ進むこと約1時間。スコータイ歴史公園と同じく世界遺産に指定されたシーサッチャナライ歴史公園があります。およそ200を超える遺跡が保存されており、スコータイほど多くの観光客が押し寄せてくるわけではないので、落ち着いて遺跡巡りをすることができますよ。ワット・プラ・ラタナ-・マハータート、ワット・チャン・ローム、ワット・チェディーチェットテーオ などがあります。またここは昔日本にも伝来してきたサンカローク焼きの古窯跡地が点在する場所でもあります。歴史公園内はスコータイ歴史公園と同じく自転車をレンタルしてまわることが出来ますよ。
 バス停にあるレンタサイクル |
 レンタサイクルで地図をもらう |
 遺跡への入り口 |
 サンカローク焼博物館61番窯 |
ワット・プラ・シー・ラタナー・マハータート・チャリエンシーサッチャナライ遺跡群の入り口となる門をくぐり、ヨム川にかかる吊り橋からすでに仏塔が見えています。趣のある吊り橋から見えるその光景にいいとこに来たなあというなんともいえない充足感。橋を渡り料金所を通過すると大きな遺跡が目の前に現れています。中央にそびえる仏塔の前には坐像があり、その脇には遊行仏が配されています。奥にも遺跡が点在しており、歴史公園に入る前の最初の大物遺跡となっています。
 ヨム川にかかる橋から仏塔が見える |
 巨大な石の門をくぐる |
 祭壇はやはり特徴的な柱が何本も立っている |
 時代の古さがうかがえるクメール様式の仏塔 |
 仏像の脇に配された遊行仏 |
 ここにも壁に囲まれた仏像が |
ワット・チャン・ローム一際見晴らしの良い敷地の中に建てられた建造物は、石で組まれたの道の奥にあり、建物の下には動物の石像が仏塔を守るかのように配置されています。階段を登っていきますと、小部屋のように分かれて仏像が座しています。振り返れば緑が広がる敷地の美しい眺めがあり、静かな時間の流れを感じることができるでしょう。
 石柱の道を抜けると仏塔がある |
 下には獣の護衛が配置 |
 階段を登り仏塔の頭頂部へ |
 仏塔上部はこのように崩れた仏像が |
 寺院の上からの眺め |
 敷地の広さがうかがえる |
ワット・チェディーチェットテーオ小川にかかる橋を渡って敷地内に入るとそこは仏塔がいくつもそびえる遺跡群となっています。様々な要素が混在するスコータイ様式の仏塔の合間をゆっくり歩きますと、ワット・チャン・ローム側に向けてたつ仏塔の中に、九匹のナーガ(ヘビの神)に守られた美しい仏像を見ることができます。
 橋を渡り敷地内へ |
 スコータイ様式の仏塔 |
 ナーガ(蛇の神)に囲まれた美しい仏像 |
 様々なかたちの仏塔が並ぶ |
スコータイ市内を楽しむ

せっかくやって来たスコータイ、遺跡巡りの後は古都の町並みを楽しんでみましょう。中心地は新市街、ヨム川の周辺にお店などが集中しています。あまり大きな町ではないので、ぶらぶら歩いて散策できますよ。ヨム川の南側にフォレスト・スコータイなどいくつかホテルがあり便利です。食事はオープンキッチンがよいでしょう。印象としては野菜が美味しい!味付けも東北のような激辛ではなく食べやすいものが多いようです。カフェも素敵なお店があります。そしてヨム川の北側の川沿いはナイトマーケットがあり、週末などはどこにこんなに人がいたんだろいうという感じでにぎわっています。
 バンガロータイプの部屋のフォレスト・スコータイ・ホテル |
 アンティーク調のドリームカフェ |
 にぎわうナイトマーケット |
 野菜料理がおいしいオープンキッチン |

いかがでしたか?タイの最初の王朝が築かれた古都スコータイに花開いた建築物の数々は、悠久の時間を超えて私達にロマンを与えてくれる場所だといえます。都会のバンコクからやって来ると静かな街の佇まいにほっとできます。有名な遺跡ではありますが、人ごみから覗くような多さはなく、落ち着いて自分のペースで遺跡巡りを楽しむことができますよ。今回は主な遺跡のご紹介でしたので、お時間のある方は何日か滞在されてシーサッチャナライと合わせてじっくり鑑賞するのをおすすめします。歴史公園は夜はライトアップされていますので、昼の顔とはまた違った表情を楽しむことができるでしょう。