香港ならでは!中環フェリーターミナルから始まる小旅行。香港の喧騒を背に、ゆったりした時間が流れ出す船の旅へ出てみませんか?
こんにちは、香港ナビです。香港は、中国本土と地続きの九龍半島、ビクトリア湾を挟んで対岸には香港島、飛行場やディズニーランドがあるランタオ島の他、200余りの島で構成されています。土地柄、昔から小型船やフェリーなどの水上交通手段が人々の生活と深く関わりを持って来ました。現在も運行されているのは、ビクトリア湾を縦断するフェリー(港内線)、それに長洲や南丫島(ラムア島)に代表されるような離島へ行くフェリー(港外線)があり、その多くの路線が発着する中環フェリーターミナルをご紹介します。
スターフェリーの移転によって生まれ変わった中環フェリーターミナル

スターフェリー
香港政府の「中環—灣仔間埋立て計画(中環及灣仔填海計劃)」により、2006年に長年愛された愛丁堡廣場碼頭(中環郵便局横)から港外線のフェリーピアが並ぶ現在の場所へ移転。それをきっかけに、中環フェリーターミナルは新しく生まれ変わったと言っていいかもしれません。民光街沿いに1号から10号のピアが並ぶウォーターフロントプロムナードは長さ約900m、観光客、離島住人のほか、マラソンをする人、釣りをする人、海を眺めながらランチやデートをする人など、常に様々な人々が行き交います。
バスやミニバスの発着所でもあるので、中環フェリーターミナルへ来たついでに、バスやミニバスに乗り継ぎ、次の目的地へと向かうのもひとつの方法。
天星碼頭(Star Ferry Pier)発着(湾内線)

7号埠頭はスターフェリーが発着する。
100年以上の歴史があるスターフェリーは、ナビが友人に勧める「香港に来たら絶対乗って欲しい乗り物ナンバー1!」です。
ビクトリア湾を横断する約9分間、昼は湾内の船や対岸の高層ビル群を、夜は香港の100万ドルの夜景を楽しめます。アンティークな内装とエンジン音せいか、ノスタルジックな気分にさせてくれる不思議な船旅です。
 スターフェリー |
 船内(2等) |

乗り方は、オクトパスカードを持っている場合は、改札機の上についているリーダーにピッとかざす(Suicaやicocaと同じ要領)だけ。現金の場合は乗船前に自販機でトークンを購入します。

フィッシュ&チップスのお店
7号埠頭は中環フェリーターミナルでも一番多くの人が行き交うこともあり、いろいろな店舗が入っています。毎日曜には有機野菜を販売するお店も出て、地元人に人気があります。
 7号埠頭は3階建 |
 スターフェリー |
 1等は2階席なので乗り口は2階になる |
 セブンイレブン |
 スターバックス |
 ケバブ、ピザ、カレー屋 |
 鴻福堂 |
 有機野菜販売は2階エントランス前 |

PIER 7の店内
7号埠頭の3階にカフェ&バーの「ピア7」と屋上(ルーフトップ階)にレストランの「ウォーターマーク」があるのはあまり知られていないのではないでしょうか?ウォーターマークではビクトリア湾の夜景を眺めながらの素敵ディナーを楽しめるようです。
 PIER 7 Cafe & Barの入口 |
 レストランWatermark
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 こちらの展望台も人が少なく快適 |
詳しい運行時刻は、下記の運行会社のサイトをご参照下さい。
スターフェリー(天星小輪有限公司)
TEL 2367-7065
http://www.starferry.com.hk
※2011年3月で中環—紅磡路線は廃止されました。
港外線碼頭(Outer Ferry Pier)発着(港外線)

港外線は香港の各離島へ向かうフェリー路線です。7号埠頭のスターフェリー隣、6号埠頭から1号埠頭に向かって紹介していきます。
6号埠頭 ランタオ島・梅窩(ムイウォー)、坪洲(ペンチャウ)行き

6号埠頭入口
6号埠頭からは香港最大の島、大嶼山(ランタオ島)にある街「梅窩(ムイウォー)」と、その東にある小さな島「坪洲(ペンチャウ)」行きのフェリーが発着しています。

梅窩から貝澳に向かう途中の眺め
ランタオ島は香港島の西にある香港最大の島で、山や緑に囲まれ、海水浴のビーチやハイキングコースが多いことでも有名な離島でもあります。
香港国際空港と香港ディズニーランドができた現在はバスや地下鉄でのアクセスも可能になりましたが、香港島側から島の東南に位置する梅窩に行くには今だにフェリーが一番です。
 梅窩フェリーは向かって右側。 |
 梅窩行き普通船。 |
 梅窩行き高速船。 |
 改札はちょっと複雑。 |
 普通船と快速線で分かれている。 |
 よく見ないと間違えそう。 |

坪洲は特にこれといった観光地はないこともあり、のどかな島ライフを垣間見ることができる離島です。
100年以上の歴史のある石造りの建物や天后廟(ティンハウミウ)、ちょっとした展望が楽しめる手指山がります。またランタオ島にある熙篤會神樂院(ヘイトッウイサンロッユン・トラピスト修道院)への乗り継ぎに利用する人も多いです。
 坪洲の地図が入口にあります |
 コーヒーショップ |
 向かって左側が坪洲への改札 |
 坪洲では喜霊洲への乗り換えをする人も |
 坪洲行きフェリー |
 改札 |
5号埠頭 長洲(チョンチャウ)行き

長洲のフェリー乗り場近く
香港島から約40分~1時間ほどの距離にある離島で、数ある離島の中では小さい部類に入る島でありながら人口約3万人、香港有数の人口密度と活気を誇る漁業が盛んな島です。宿泊施設やレストランなどが充実しているので、夏は海水浴などのレジャースポットとして香港の若者に人気があります。
年に一度の饅頭祭り(長洲太平清醮)は有名で、この日のフェリー乗り場は凄い人で埋め尽くされます。
島内は軽ワゴンの救急車や軽トラの消防車といった緊急車両を除いて自動車はいっさい走っておらず、移動は歩きか自転車のみです。
 長洲乗り場入口 |
 長洲行きフェリー |
 人口の多い長洲の船は大きいです |
 普通船は普通席と豪華席の2種類 |
 高速船に席の違いはありません |
 オクトパスカードなら自動改札へ |

セントラルで車仔麺を見つけた!
中環フェリーターミナルで一番ローカル色の強い長洲フェリーターミナルでは小食(軽食・スナック)を販売するお店が賑わっています。次の船を待つ間や、船中で食べてもOK。これも船旅の楽しみのひとつです。
 早めに着いても楽しめる |
 実は水もここが一番安い |
 ローカルファーストフードが盛りだくさん |
 出航前は賑わいます |
 メニューは広東語のみ |
4号埠頭 南丫島行き

香港島の南西にある南丫島(ラマ島)の北側にある榕樹湾(ヨンシュワン)と、東側にある索罟湾(ソッグワン)へ行くフェリー乗り場。
南丫島は、香港島を除いた離島の中では2番目に大きく、人口約6000人。榕樹湾側は、商店街やレストランなどがあり、索罟湾側はシーフードレストランがあることで有名です。
近年は西洋人など外国籍の居住者が増え、西洋人向けのレストランやカフェ、バーなどが増えています。山やビーチ、ハイキングコースもあるので、香港の喧噪に疲れたら行ってみるのもおすすめです。
 南丫島の地図 |
 同じ南丫島でも2つの港があります |
 榕樹湾行きフェリー改札 |
 オクトパスカードとは別に島民用定期(月票)もあります |
 ミニストアはコンビニ代わり |
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3号埠頭 愉景湾(ディスカバリーベイ)行き

ディスカバリーベイ行き高速船
ランタオ島の東側、海を挟んでディズニーランドの反対側に位置する愉景湾(ディスカバリーベイ)に向かう高速船が24時間で運行されています。
ディスカバリーベイは、香港在住の外国人に人気の高い住宅地であり、街中が欧米風の雰囲気に溢れているのが特徴です。
ディスカバリーベイ内の移動は居住者用バスとゴルフカートが基本。外からの自家用車は立ち入り禁止のため、交通量がとても少なく子供やペットにも安全な街づくりがされています。

愉景廣場(DB Plaza)というショッピングセンターには、オープンテラスのしゃれたレストランやカフェなどの他、日曜に不定期に開催されるサンデーマーケットやフリーマーケットが香港人にも人気があります。
ディスカバリーベイからは、MTRの東涌、欣澳(サニーベイ)の各駅と空港へのバスが出ていますので、ランタオ島内各地へ行く際に立ち寄って、その雰囲気を味わってみるのもいいでしょう。
 ディスカバリーベイ入口 |
 運営会社が違うこともあり、設備が違う |
 コーヒーショップやバー |
 サークルK |
 香港では珍しいコインロッカーがある |
 オクトパス以外に居住者用のDB cardがある |
 フェリー乗り場横にあるビーチ |
 フェリー横にあるディスカバリーベイバスのターミナル |
 自家用車ではなく、自家用ゴルフカート |

DB Plazaの提携レストランにて、平日はディナータイムだけ、週末はランチまたはディナータイムにひとり120ドル以上お食事をすると、帰りのフェリー代が無料になります。もし、ディスカバリーベイに遊びに行ったならこのサービスを利用しない手はありませんね。
2号埠頭 珀麗湾(馬湾)行き

レジャーランド入口のような看板
青馬大橋のたもと、青衣とランタオ島の間ある馬湾(マーワン)に向かう路線です。馬湾はもともと小さな漁村しかない小島だったのですが、現在では珀麗湾(パークアイランド)という大規模マンション群が完成し、そこへの足として中環からの直通フェリーが運行されています。
2009年には馬湾公園とノアの方舟(挪亞方舟正)がオープンし、観光スポットとして島外からの観光客を呼び込むようになりました。
また青馬大橋と汀九橋(ティンカウキウ)という香港の2大大橋を間近に眺められる穴場的ビュースポットでもあり、大橋の夜景は一見の価値ありです。
珀麗湾まではセントラルからのフェリー以外にもKCR西鉄・荃灣西駅前からのフェリーと、MTR青衣、葵芳の各駅から直通バスも出ています。
 馬湾行きフェリー |
 ノアの箱舟のご案内 |
1号埠頭 中区政府専門埠頭
中環フェリーターミナルの一番はじにある1号埠頭は、すぐ横にマカオフェリーターミナルが見える場所に位置します。ここは離島行きではなく、政府関係船の専用船着場として利用されています。
8、9、10埠頭

8号埠頭は海事博物館
中環フェリーターミナルには他に8号埠頭、9号埠頭、10号埠頭があります。
8号埠頭には海事博物館、そして9号、10号埠頭は公衆埠頭として観光船や不定期船、プライベート船用の船着場になっています。
実はこの9、10号埠頭はガラス天井でモダンな作り。そして比較的人も少ないのでビクトリア湾展望の穴場的スポットです。
 海事博物館外観 |
 入口は2階 |
 海事博物館外観 |
 2階の廊下にも展示があります |
 スターフェリーのプレート |
 海事博物館のお土産やさん |
 外観 |
 海事博物館のお土産やさん |
 9号埠頭 |
 9号埠頭のガラス天井 |
その他

プロムナードの地図とトイレの位置
天気の良い日に中環フェリーターミナルの端から端まで、1号埠頭から10号埠頭までゆっくりお散歩するのも気持ち良いかもしれません。近い将来、灣仔まで続くプロムナードになる予定のウォーターフロントプロムナード(海濱長廊)ですが、中環フェリーターミナル区にある公衆トイレは1号埠頭横と7号埠頭から出ている歩道橋下の2箇所。
各埠頭やフェリー乗り場内などにトイレがある場合もありますが、見つけにくかったり、フェリー客、レストラン利用者以外は使用できなかったりする場合があります。
公衆トイレが苦手という場合は、目の前のIFCショッピングモール内のトイレがお勧めです(※土日は混むので注意)。
 1号埠頭の先にある公衆トイレ |
 1号埠頭のあたりは人通りがかなり減ります |
 3号埠頭と4号埠頭の間にエスカレーターがあり、IFCへと続く陸橋に上がれます |
 3号埠頭からはIFCへ続く陸橋がある |
 プロムナードと平行に屋根がある歩道があります |
 7号埠頭からセントラル郵便局へつながる長い陸橋 |
 自販機も所々に。でもお値段高め |
 9号、10号埠頭の前には大観覧車があります |
いかがでしたでしょうか?九龍半島と多くの島々で構成されている香港。滞在時間に余裕がある時は、中環フェリーターミナルから始まるショート・トリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?きっと今まで見えてこなかった香港が見えてくると思いますよ。以上、香港ナビがお送りしました。
離島へ行くフェリー(港外線)は運行間隔が日時によりまちまちです。詳しくは各フェリー会社のサイトをご参照下さい。
ファーストフェリー(新世界第一渡輪有限公司)
(長洲島・梅窩・坪洲島線)
TEL 2131-8181
http://www.nwff.com.hk
港九小輪有限公司
(南丫島への路線)
TEL 2815-6063
http://www.hkkf.com.hk