上環を登ったところに位置する卜公花園(Blake Garden)は、豊かな緑に囲まれた、お散歩のひとやすみには絶好のオアシス。周辺には唐樓をリノベーションしたおしゃれなカフェや
ショップもたくさん。壁に描かれたグラフィティを見ながらアートを楽しむお散歩はいかがでしょうか?

卜公花園の背の高い大木の下は夏でも涼しい木陰に
こんにちは香港ナビです。人口密度が多い香港。どこに行っても人、人、人。人の多さに疲れてしまうこともありますよね。
今回はナビおすすめの「ちょっとホッとできるお散歩エリア」をご紹介します。
場所はヒルサイド・エスカレーターからでもMTRの上環駅からでもOKの「卜公花園(Blake Garden)」周辺。SOHOと呼ばれるエリアからちょっとだけ西側にあります。サクッと歩けば約1時間半、休憩入れながらのんびり、じっくり回れば3時間以上楽しめます。
ちょっと楽チン!エスカレーターからスタートしちゃおう

スタントンストリートに出たところ
今回は、ずぼらなナビが大好きな「あまり階段を上らない行き方」です。
まずヒルサイド・エスカレーターでスタントンストリート(士丹頓街 Stanton St)まで登ります。
スタントンストリートに到着したら右折して道なりに進みます。この辺りはSOHOの中心地で、おしゃれな飲食店が集まっているので、平日の昼でも住人や遊びに来ている人たちだけではなく、搬送の車なども多く、にぎやかです。
まっすぐ進んでアーバーディーンストリート(鴨巴甸街 Aberdeen St)を越えると、若者に人気のPMQが見えてきます。今ではすっかり観光名所にもなったPMQ、ナビが通った日も台湾人や中国本土からの観光客が大勢入っていきました。
 サインを見ながら適当に歩くのも悪くない |
 坂の多いエリアです |
 足を踏み外すわけにはいかない、急な階段がたくさん |
 PMQ 元創方の必列者士街側入り口 |
必列者士街(Bridges Street ブリッジエス ストリート)

ちょっと不思議な雰囲気のセレクトショップ
PMQを過ぎたこのあたりから繁華街というよりは、閑静な住宅地という雰囲気が強くなり、人影もめっきり減ってきます。
そしてナビが好きな「楽しいお散歩エリア」に突入です。
この辺は斜面が急になり、一本上や下の道に出るにもかなり急な階段を上り下りしなければなりません。
ですので、ずぼらなナビはひたすら道なりに横移動です。
香港中華基督教青年會(YMCA)赤レンガの外壁が印象的なYMCAは1918年に建造されたもので、香港一級歴史建築にも指定されています。屋内プールがあるとのことなのですが、一般公開されていないため残念ながら中に入ったことはありません。
このあたりは学校が多いのですが、YMCAの前にある学校の外壁デザインはモンドリアンを彷彿させるモダンアート調(にナビには見える…)。孫文を描いたモザイク画も完成度が高い!
 YMCAはもうすぐ100歳! |
 外装が綺麗なコンビネーションの学校 |
 孫文さんゆかりの地だけあります |
 YMCAの角、水池巷を左折し、階段を登ります |
 途中にはおしゃれなカフェも |
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香港醫學博物館
水池巷を登り、突き当たりの裕林臺には香港醫學博物館が出てきます。
1906年に「細菌學檢驗所」として建てられました。YMCA同様赤レンガが美しい香港にある代表的な英国式建築物です。こちらは後ろ側で、正門は堅巷(Caine Lane)沿いにあります。時間があれば香港醫學博物館を見学してもいいでしょう。
水池巷に戻り、階段を降りると普慶坊(Po Hing Fong)に出ます。この角にも素敵なベーカリーカフェPos Atelierがあります。
 香港醫學博物館から普慶坊へ降りる |
 ベーカリーカフェ、Po's Atelierにはテラス席も |
卜公花園(Blake Garden)でグリーン浴

ベーカリーカフェPos Atelierの前に広がる緑が卜公花園(Blake Garden)。大きな木々に囲まれたこの公園の中は、夏の暑い日でも木陰の下で涼しい風を感じることができます。
ナビが最初にこの公園を訪れた時は、緑の天井がとても気持ち良く、時間を忘れて「ぼーっ」とたたずんでいました。人口密度がゼロに近いのも最高です!
近くのカフェでテイクアウトしてアウトドア・ランチも気持ち良さそうです。
 公園は普慶坊側中央にある運動場を挟んで東西に分かれています |
 暑い日でも嘘のように涼しい木陰 |
 樹齢何年なんだろう?と思わせる大木 |
 根や幹の伸び方がすごい! |
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 公共の運動場として利用されています |
 ミニサッカーコート |
 ルールが厳しめだからか、静かな環境が保たれている公園です |
 公園内全面禁煙!一服するために来ている人はいないのです |

パンケーキが人気の3rd Space
公園で木々のエネルギーを充填したら、普慶坊(Po Hing Fong)に戻ります。普慶坊(Po Hing Fong)は比較的、新しいお店は少なめ。来年にはおしゃれなカフェやレストランがもっと増えているのかもしれません。
 普慶坊から少し登ったところにあるMANA! Cafe |
 ランチはここでビーガン・オープンフラッツ |
太平山街(タイペンサンストリート)へ

磅巷(Pound Lane)を降りていきます
ランチ後に卜公花園脇の磅巷 (Pound Lane)の階段を降りて太平山街へ。このあたりは歴史的にも色々なストーリーがあるエリア。昔の人々の暮らしを感じながら歩いてみるのもいいかもしれません。

太平山街が見えてくると、豬扒飯(ポークチョップのせご飯)や牛肉麺などが有名な科記咖啡餐室も目の前に。今日もたくさんの人が並んでいました。
廣福義祠(百姓廟)

磅巷 (Pound Lane)から太平山街を左に曲がると線香の煙につつまれた、真っ赤な建物があります。観光名所の「文武廟」「黄大仙廟」とは異なる雰囲気をもつ廣福義祠、別名「百姓廟」は、それらしい門もない四角い2階建の真っ赤な建物ですが、香港二級歷史建築に指定されています。
19世紀中頃、イギリスの植民地下、中国本土からこの地域にたくさんの人が働きに来ていましたが、劣悪な生活環境と重労働などから故郷に帰ることなく亡くなる人が大勢いました。当時、病人や遺体を収容していた場所がこの廣福義祠でした。
1872年に東華醫院に医療業務が引き継がれたはあとは、亡くなった方を祀る「廟(寺院)」として変わり現在にいたります。
 おなじみのぐるぐる線香がたくさん |
 ビルの中の観音堂 |
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階段の途中に観音堂があり、登り切るとおしゃれなお店が並ぶもうひとつの太平山街へ...

階段を登りきった先の太平山街とそこから海側に伸びる東街、西街などにはおしゃれなカフェやショップ、ギャラリーなどが増えています。
 ギャラリーなどアート関係のお店が多い |
 唐樓(チャイニーズビルディング)と呼ばれる低層の建物が多く残っている |
 お茶にこだわるカフェ「teakha 茶 ° 家」 |
 狭い路地のプチ公園には将棋盤 |
 ローカルのファーストフード店も健在!たくさんのタクシードライバーで賑わっていました |
 太平山道から横に伸びる東街にはギャラリーなど |
 西街にはレストランも |
 以前は小さな印刷工場がたくさんあったエリアでした |
 角の小学校の色が鮮やか! |
グラフティ探しだけでも面白い

太平山街エリアはおしゃれなカフェやギャラリーがあるだけではなく、壁に描かれたたくさんのグラフティやアーティストの作品に出会えるところでもあります。
 飲食店などとのコラボも多い |
 路地のプチ公園にはほのぼの系が |
 店舗とのコラボはレベルが高め |
 狭い路地はかなりカオスなイメージ |
 路地裏のいたるところに見つけられます |
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 ガラスのブロック部分が歯 |
 クオリティはまちまちではあります |
 香港でも人気のクラフトビアのバー |
 大きいリー様が突如としてあらわれた! |
 こういう小さい「何か」を見つけるのが好きだったり |
 しぶい... |
 なんか、よくわからないけどカッコ良いと感じた作品 |
 鬼佬とは西洋人男性のことです |
文武廟

太平山街を抜け、四方街を道なりに進むとハリウッドロード、文武廟の横に出ます。お散歩も終盤です。

文武廟。見た目空いているようで、中は混んでいたりします
香港の中でも有名なお寺の「文武廟」はいつも大型観光バスが来ている観光スポット。ここまで降りてくると、人通りも観光客も多くなります。
今回はお散歩ですので文武廟は素通りでそのまま楼梯街(Ladder Street ラダーストリート)の階段を降りていきます。
そのまま下まで降りてMTR上環駅のゴールを目指しても良いのですが、せっかくですから寄り道しちゃいます。
摩羅上街(Upper Lascar Row キャット・ストリート)

キャットストリート入り口
楼梯街(Ladder Street ラダーストリート)の中腹から始まる摩羅上街(Upper Lascar Row キャット・ストリート)も香港ではかかせない観光名所。
ここ数年の家賃高騰のもと、ストリートも様変わりしたかと思っていましたが、相変わらずの「何でもあり」ぶりは健在でした!素晴らしい!
高級アンティーク店から「これは売り物?」と目を疑うようなガラクタまで、好きな人にはたまらないお宝探しができるストリートがこのキャットストリート。実はブルース・リー様のアイテムが結構あったりしますのでファンの人は必見。自分の目利きを信じて、ちょっと変わったお土産や唯一無二のお宝をゲットしてみてはいかがでしょう?

キャットストリートを突き当たりまで行き、右折して楽古道を道なりに上環駅へクイーンズロードセントラルにぶつかったところが、ちょうど楼梯街(Ladder Street ラダーストリート)の入り口になります。ぐるっとひと回りした感じですね。
ここから上環駅までは徒歩約5分。そのまま帰路につくのも、途中ご飯を食べて帰るのにもベストなロケーションではないでしょうか?
番外編
 キャットストリートを出て、楽古道に出たところに日本語も書かれた看板!? |
 フレッシュジュース屋さんでした!次回はざくろのジュース飲むぞ〜 |
いかがでしたか?ヒルサイド・エスカレーターのスタントンストリートから西に歩いて上環駅まで降りてくるお散歩コース。歴史あり、アートあり、昔ながらの香港と新しい香港が介在していながら、静かな時間を過ごせる場所もあるこのエリアは最近のおすすめNo1です。
動きの激しい香港、次に来た時はまた居心地の良いカフェがオープンしているかもしれません。以上香港ナビがお伝えいたしました。