こんにちは、パリナビです。2021年ももうすぐ終わろうとしていますね。世界を揺るがしたコロナウィルスの出現からもう2年。ロックダウンや夜間の外出制限、ワクチン接種の強化など、フランスでも様々な感染対策が行われてきました。感染力の高い新種の株が発見されるなど、まだまだ油断大敵のコロナウィルスに対して、フランス政府はどんな方針を打ち出していくでしょうか。今回はこれまでの対策や、これからの展望などをまとめてお伝えしたいと思います!
簡易検査のテントも急増
新型ウィルスのために開発されたワクチンは、まず医療関係者や高齢者、また慢性的な疾患のある人を優先に接種が進められました。その後、接客業などの不特定多数の人と接触する仕事や学校の先生などが接種を受け、一般の人達にもワクチンが受けられるようになりました。夏のバカンスを前に、長距離電車の利用にはワクチン接種が義務付けられることになったので、春から夏にかけてはワクチン予約が混みあい、なかなか予約が取れないという事態も。
入店に際してアプリの起動を求めるお店もあります
ワクチン接種とあわせてパス・サニテール(衛生パス)も導入されました。スマホアプリの Tous Anti Covid には、これまで接種したワクチンの記録をQRコードで保管できるようになっています。これがパス・サニテールで、美術館などの公共施設、長距離電車、飲食店(テラスも含む)を利用する際にはこのQRコードの提示が義務付けられています。アプリには濃厚接触者を探知する機能があり、接触のおそれがないかをリアルタイムに知ることもできます。フランス国内のワクチンデータやコロナの最新情報をを見ることもできるので、今ではほとんどのフランス人がこのアプリをスマホにインストールしています。
渡航の際にはしっかりと準備が必要です
コロナウィルスの特徴は、次々と変異株が発見されること。ワクチン効果で一旦は収束に向かったフランスも、新しい株が発見されるたびに政府が様々な対策を打ち出しています。ごく最近では、感染力の高いオミクロン株が国内に入り、かなりのスピードで猛威をふるっている様子です。これを受けて、政府はワクチンのブースター接種をさらに強化して推進することに決定しました。ただ、決定事項によっては混乱を招くこともあります。以前は2回目のワクチン接種から6カ月間はブースター接種を認められていませんでしたが、今回のオミクロン株によって5カ月後には3回目が接種可能になりました。また、2回目の接種から7カ月が過ぎるとパス・サニテールが失効になるという発表もあり、このため、ワクチンを急ぐ人たちが予約サイトに殺到するという事態も起こっています。現在でもブースター接種の予約は大変混みあっていて、早くても3月から4月でないと空きがない状況です。国や各自治体もワクチンの接種会場を増やしているところですが、この間にパス・サニテールが失効になる人もかなり多くなる見込みですので、この状況をどうするか政府の対応が待たれます。
学校でのクラスターも発生しています
2022年のコロナ対策での焦点の1つは、5才から11才の子供に対するワクチン接種です。すでに12月の中旬から肥満、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患等のリスクのある子供約35万人に対するワクチン接種を開始するという発表がありました。パンデミックの初期は子供には感染しないと考えられていましたが、変異株などの登場で11歳以下の子供の感染率が上がっていることが理由です。これに対してはまだ保護者の反対意見が強く、実際にワクチンを受ける子供がどれくらいいるかは未知数です。上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2021-12-22