一夜限りの芸術の祭典!長い夜をコンテンポラリーアートと一緒に過ごしませんか?

今年から6月開催!
こんにちは、パリナビです。今回はコンテンポラリーアートの祭典「ニュイ・ブランシュ」の様子をレポートします!「ニュイ・ブランシュ」は芸術の秋にちなんで毎年10月のはじめに開催されていました。土曜日の夜から日曜日の朝にかけて、パリの色々な場所でコンテンポラリーアートが展示発表される一夜限りのお祭りです。この夜はメトロも終夜運転をしたり、お店も遅くまで営業していたりと、街をあげて盛り上がる一夜。特にコンテンポラリーアートのファンにはうれしいお祭りです。
実はこのニュイ・ブランシュ、今年から6月に開催時期が変わりました!6月は日照時間が一番長い季節です。日没の時間も夜10時ぐらいなので、日本に比べるととても遅いですね。そして気温もぐっと夏らしくなり過ごしやすくなってきます。10月の開催では夜中はかなり冷え込みましたが、今回は気持ちいい涼しさで、長い夜を外で過ごすのにはパーフェクト!年々奇抜なアイデアが盛りだくさんなニュイ・ブランシュですが、今年はどんな展示が見られるでしょうか。街のようすも一緒にお伝えしますね!
歩道橋にかかった金のリング!

レオポール・セダール・サンゴール橋

近くで見ると巨大な金の風船
まず向かったのはレオポール・セダール・サンゴール橋。チュイルリー庭園からセーヌ河をはさんでオルセー美術館方面にかかる歩行者専用橋です。二重構造になっていて、セーヌ河岸からも通りからも行き来できるようになっています。橋の途中で上部と下部が交わるデザインは曲線的で優雅さもあります。
さてここに登場したのはドイツのデュオアーティストの作品です。それは大きな金の指輪!遠目からでもとても目を引くオブジェで、まさに橋に指輪がすっぽりとはまっているように見えます。とても大がかりなオブジェに見えますが、膨らませた金色のチューブが橋の一番下のところで繋がっているという意外とシンプルなしかけでした。近づいてよく見ると風船だということが分かります。でも遠目からには指輪にしか見えません!これはセーヌ川の右岸と左岸を結ぶ指輪、そして川と街との強い結びつきも象徴しているのだそう。なんだかロマンティックなオブジェですね!
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遠くからだとリングに見えます! |
アート&お祭り!の市庁舎

オルセー美術館は映像展示
ではオルセー美術館から市庁舎の方へ移動します。ニュイ・ブランシュは夕方から夜にかけてパリ中がお祭り状態です。オルセー美術館のあるセーヌ河岸はテラスのバーが営業していたり、楽団の演奏が開催されるなどとてもにぎわっていました。6月のパリは一年でもっとも過ごしやすい季節です。午後9時から10時ごろの日没にかけて昼間の暑さがやわらいできて、外を散歩するには最高のコンディション。風通しのいいセーヌ川の河岸はそんな初夏の夕べをのんびり過ごすには最適のスポットですね。特にシャトレー付近はスムーズに動けないほどの人出でした!
 セーヌ河岸はこの人出です! |
 音楽隊もにぎやかに盛り上げます! |
市庁舎前の広場も沢山の人が遊びに来ていました。特設の屋台が並んでいる様子は夏祭りのような雰囲気で、6月の開催ならではの解放感がありました。
市庁舎内の展示会スペースには行列ができていました。何かと思えばアーティストによるライブパフォーマンス。アーティストが描いているイラストの線の部分、ただの線かと思えば訪れた人達の名前がアルファベットで書かれているんです。作品の一部になったようで楽しいですね。また、絵はがきを1枚1枚重ねて作ったエッフェル塔も展示。その気の遠くなるような作業にびっくりします。細かいところにもこだわるアーティスト気質を見るような展示でした。
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市庁舎前広場はお祭りのようなムード |
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イラストをよく見るとアルファベットでライン取りがしてあります |
ポンピドゥーセンターは参加型アート!

夜のポンピドゥーセンター

沢山の人が参加!
今度はコンテンポラリーアートのメッカ、ポンピドゥーセンターへ行ってみましょう。美術館前の広場では、見学者が参加できるアートが開催されていました。あらかじめ書かれている黒い文字の中に、白の絵の具を使って自由に絵や文字を書き込むという楽しそうな展示です。見学者のみなさんも次々に絵の具をゲットして好きなものを書いていましたよ。みんなとても熱心に書き込んでいました。イラストの他に、漢字で詩が書いてあったりと、幅広いアイデアが満載です。なかには小さい子供がお絵かきをする姿も。自分も参加できるアートってワクワクしますよね!
 イラストが中心 |
 漢詩でしょうか |
 小さい子供もお絵かき |
 好きな絵の具やチョークを借ります |
 みんな夢中! |
音楽やダンスにレスリングまで!

コンサートも開催
コンテンポラリーアートは絵画やオブジェの展示だけではありません。中にはダンスパフォーマンスや音楽を取り入れた企画もあります。シャトレーではなんと野外のレスリングが登場。派手なパフォーマンスに、観客から大きな歓声が上がっていました。そのほかレ・アールではバーレスクダンスやストリートオペラのパフォーマンス、またプチ・パレではイランの舞踏家によるスーフィー(旋回)ダンスのパフォーマンスも披露されました。マレ地区の国立公文書館(アルシーヴ・ナシオナル)では、ピアノと弦楽器のトリオによるクラシックの夕べ。お祭りの喧騒を離れた中庭で行われるコンサートに、来場者も静かに聴き入っていました。こんなに幅広い表現スタイルもニュイ・ブランシュならではの自由な発想ですね。
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明かりのオブジェ |
 シャトレー広場ではレスリング。すごい人だかりです! |
 国立公文書館の静かなコンサート |
 カルナヴァレ美術館は深夜カフェに! |

ニュイ・ブランシュは基本的にメトロなどの交通機関も終夜運転になります。中心部ではレストランやお店なども特別に深夜営業をしていたりと、遅い時間になってもにぎやかです。午後9時から10時ごろが日没の時間なので、その後は少しずつ冷えてきます。夜間に色々な場所に見学に行く場合は羽織るものを持参した方がよさそう。
一夜限りのアートの祭典、来年はどんな企画展示が登場するか楽しみですね!
以上、パリナビでした。