高速鉄道や寝台列車に乗る旅でなければ、駅近ホテルは意味のない選択
日本では「繁華街=駅の近くにある」ですが、鉄道の駅が市中心から離れた構造の街・上海では、駅前ホテルを予約してしまうと大変なことになります。特に安いツアーなどでは、上海市内きっての秘境エリア「上海駅北口」のホテルになることも。広告に「駅近ホテル」などと書かれていると安心して予約しちゃうはず! ナビの友人も何も知らずに駅北口ホテルを予約していたことが。迎えに行くのも、お勧めのお店に連れて行くのも正直かなり大変でした。空港から一本で行ける地下鉄の路線もありません。陸家嘴エリアの写真です
「外灘」といえば、ガイドブックの巻頭写真などでも出てくるのはテレビ塔「東方明珠塔」と超高層ビルが林立する川沿いの風景ですよね。でもこれは「外灘の写真」ではなく、「外灘から見た陸家嘴の写真」です。陸家嘴側の風景のインパクトがどうしても強いので、ツアーなどでさらっと訪れた方はテレビ塔側の写真しか撮らないことが多いよう。でも、「外灘」のメインは浦西側。写真を撮っている皆さんの背後にある歴史建築群です。歴史建築内のレストラン、バー、ホテル、ギャラリーなどにも入ってみて
建築群の歴史や建築様式、それぞれの建物に入っている施設などをぜひ知って帰って下さい。意外と個々のツボに入るお店、上海の隠れた歴史がそのまま残っている風景などに出会えます。「川沿いで写真撮っただけ」で帰るのはもったいない場所なんですよ。にぎやかな繁華街ではあるのですが
「上海の目抜き通り」「メインストリート」「上海の銀座」などと紹介されることが多い「南京東路」。にぎやかなストリートであることは間違っていないのですが、でも、地元のおしゃれな人がショッピングに来たり、友達とお茶やお酒を飲みにくる街ではありません。集まっているのは8割が上海旅行に来た国内外の観光客。2割が、老舗の商品や味を求めてくる地元の中高年です。国営店が多いので、夜も早めに閉店するお店がほとんど。遅くまで飲めるお店もあまり見つかりません。小吃の行列店で食べ歩きを楽しむのもあり
「南京東路」の見どころは、「国営店、老舗店、おのぼりさん」です。漢方薬局を見たい、墨や筆などの文房四宝を老舗で買いたい、昔ながらの食品店で調味料を買いたいなどの目的を持って行くと充実の時間を過ごせるハズ。上級者なら、「中国の地方から出て来たばかりの人ウォッチング」で楽しむのはいかがでしょうか。最先端の街ではないことは確か。でも、今建設中の「大丸」がオープンしたらちょっと変わるのかな(2014年9月現在)。豫園商城はいつも賑わっていますが……
2010年に地下鉄10号線「豫園」駅ができてからはちょっと変わってきましたが、それでも豫園界隈全体のことを「城隍廟」と呼ぶ上海人は多いです。「豫園」は庭園ですが、「城隍廟」は道教のお寺。地元の人からすれば、庭園散策よりもお参りをしに行くことのほうが断然多いからかも。一方で日本人観光客は、「城隍廟」の存在すら知らずに帰ってしまう人がほとんどです。ちなみに、「豫園商城」のことを「豫園」と呼ぶ人が多いですが、「豫園」は「豫園商城」内の庭園の名前です。商売繁盛にご利益のある道教寺院です
「城隍廟」は「豫園商城」の南側、方浜中路沿いにあるお寺です。入り口はこじんまりしていますがけっこう奥が深く、中には精進面料理のお店も。道教ならではの塑像も見どころです。今の上海の発展があるのは、風水的に最強の位置に「城隍廟」があったからだという都市伝説もあるんですよ。金運、仕事運を良くしたい方はスルーせずに立ち寄ってみて。かつて賑わっていたこのアーケード。8割の飲食店が撤退しました。スタバさえも閉店しちゃった
1990年代からナイトスポットが集まるエリア、バーストリートと呼ばれ続けて来た衡山路。確かに当時はおしゃれなバーが点在し、地元の若者たちや在住外国人がたくさん集まっていました。でも2014年現在、じっくり歩いてみるとお店が激減中です。テナント募集中の空き店舗も多く、永嘉路との交差点付近にそれほどおしゃれとは言えないローカルバーがちょこっとあるのみ。「ナイトスポット」の表記を変えていないガイドブックを見て来た方は、「こんなハズじゃ……」と立ち尽くすかもしれません。![]() 2014年現在賑わっているのは永康路! |
![]() 復興西路、永福路周辺も人気バーが点在 |
※かつては銅仁路、茂名南路もバーストリートとして有名でしたが今は……。上海の若い子たちが集まる場所は5〜6年のサイクルで変化するようです |
外資系チェーン店が大半を占めるグルメ街です
2000年代半ばまでは、上海らしい屋台街として旅行者に大人気だった「呉江路」。その名残で「上海有数の食べ歩きストリート」と紹介しているメディアが多いのですが、実際に来てみると目に入る看板は「一風堂」「洋麺屋 五右衛門」「元気寿司」「スターバックス」「サブウェイ」「たこ焼き くくる」「和民」……。「上海に来てまで?」と思うお店ばかり並んでいて、またもや立ち尽くしてしまうハズ。人気アクティビティです
旅行のツアーパンフにもガイドブックにも必ず載っている夜景クルーズ。でも、ルートを知らずになんとなく乗船していませんか? 知らなくてもすごく困ることはないのですが、でも知っていればよりのんびりクルーズを満喫できるんです。空港まで最速で行けるリニアモーターカー
上海は世界で唯一リニアモーターカーが商業的に走っている街です。時速430kmを体験してみたいという方は多いのではないでしょうか。でも、「実際乗ったけど、430kmも出てなかった。期待ハズレ! 最高速度の表示はウソなんじゃない?」なんていう感想を聞くことも……。公園内ではないけど、ここは「中山公園」
たとえば日本で、「どこに住んでるの?」と聞いて「○×公園」と返されたら、「公園で寝泊まりしてるのかしら」と思いますよね? でも上海では、在住日本人の間でも「うちは中山公園です」「最近長風公園に引っ越しました」などの会話が普通なのです。写真はとても涼しそうです
山がちな国土の日本では、都市部から1〜2時間山側の郊外に行くと夏でも涼しかったりします。でも上海周辺は、黄山のある安徽省くらいまで平坦な地形。写真で見ると涼しげな世界遺産「西湖」も、真夏に行くと都市部以上の暑さと湿度にびっくりするハズです。「夏は上海郊外の旅へ」と言われても、そこに涼しさはありません。上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2014-10-02