台湾人の友達ができたみたい!?800名の台湾人が推薦する、台湾ごはんとお店がてんこ盛り
こんにちは、台北ナビです。
台湾ロスに悶えているなか、安全な台湾妄想旅行を案内してくれる漫画が出版されました!
『台湾ごはん何食べる? 台湾人・阿米と日本人・美菜の食楽記』(幻冬舎)は、台湾人が日本人に「台湾人の本当に好きな台湾ごはん」を紹介するコミックエッセイ。作者は台湾人漫画家のAKRUさん、そして本に登場する台湾ごはんやお店は800名の台湾人へのアンケートで挙がったものばかりという、正真正銘の台湾製!?
台湾人の阿米が、日本人の美菜を連れて台湾を案内する様子に、読んでいるだけで台湾人と一緒に美食を巡っている気分になれちゃうんです。
日本人視点のガイドブックはたくさんありますが、「台湾人がオススメする」、しかも漫画でというスタイルにナビも興味津々。そこで、台北生まれ、台北育ちのAKRUさんに突撃インタビューしてきました! 取材で出合ったオススメのお店も聞いちゃいましたよ。
胃薬片手の試食で出合った、垂涎の台湾ごはん!
「取材には胃薬が手放せませんでした(笑)」
そう苦笑するAKRUさんは、寄せられたアンケート結果を元に、なんと80軒近くを丹念にリサーチしたとか。
「この本では餃子、レストラン、台湾おにぎり、かき氷など、大きく22のジャンルに分けていますが、さらに夜市の屋台、麺料理、火鍋などなど細かい料理もたくさんあって、実は数えきれないほど登場しています」
AKRUさんの「ここにあるのは、台湾人が毎日ふつうに口にするものばかり」という言葉どおり、料理もお店もナビの台湾人スタッフ納得のラインナップ。台湾の地元の人が食べているものが、すごくリアルなんです。ナビの注目ポイントはお店紹介に添えられた「台湾人のコメント」。台湾人とそのお店の関係が見えてきて、まるで友達にオススメされているような気持ちになります。
「アンケートに寄せられたコメントは、とにかく熱かった!みなさんそれぞれに食べ物やお店への想いがあふれでていて。台湾人って本当に、食べることに対して愛が深いんだなぁと、改めて思いましたね」
台湾を代表する人気漫画家・AKRUさん
漫画で描かれる料理は本当に美味しそうで、写真とはまた違った台湾ごはんの味わいが伝わってきます。
「丸っこい絵柄のこの作品は、私にとって大きな挑戦!でも食べ物を描くのは好きだったので、どんどん楽しくなっていきました(笑)」
AKRUさんは台湾を代表する漫画家で、美麗なタッチで描くファンタジー作品はフランスや日本でも注目されています。
「作風の違いだけじゃなく、私は自炊派ということもあって、企画が進みだしたころはとまどいもありました。でも台湾ごはんを通して台湾の食文化の発見があって、知れば知るほど気持ちが盛り上がっていったんです。日本人の美菜の感想が、今まで気に留めてなかった台湾の日常に潜む魅力を教えてくれたことにも感謝ですね」
台湾人だけでなく、日本人だけでもなく、それぞれ立場も性格も違うふたりの女の子がいるこからこそ、お互いの文化が浮きあがってくる面白さは本書ならでは。ちょっと前のめりな美菜をクールに対処しつつ、実は台湾ごはんに熱い想いを持っている台湾人の阿米。こんな台湾人いるいる!もしや阿米はAKRUさん……?
「よく聞かれますけど、違います。私の性格も、少しは入っているかもしれませんが(笑)」
阿米は読者にとっての友達。台湾人の友達がいれば、台湾旅行が楽しくなりそう――そんな願いを、この本はかなえてくれるのです。
取材でハマった!AKRUさんの台湾ごはん3選
「取材のおかげで、たくさんの美味しいお店と出合えたのは収穫でした。特に小吃店は、どのお店も大好きになってしまいました」
それでは、食いしんぼうのナビがいちばん知りたい(!?)、『台湾ごはん何食べる?』のなかでも特にAKRUさんが気に入ったお店を、アンケートで熱く語られた「台湾人の推薦コメント」とともに一気にご紹介してもらいましょう!
「こぶしほどもある大きなワンタンの、チンゲンサイの苦みが効いた豚肉の餡がクセになります。スープには玉子、海苔、ザーサイ、そして私の大好きなセロリが入っていて、白コショウが豊かな風味を演出しています。取材の後も、スケッチ終わりの小腹を満たしに何度も行きましたし、台湾人の友達にも布教してます(笑)。みんな絶賛してリピーターになるので、台湾人の好きな味なんでしょうね」
【台湾人の推薦コメント】★水餃子みたいな独特のワンタン。ワンタンらしい薄皮ではなく、厚くてモチモチの食感。でもこれがいい
★とてもさっぱりと食べられる
★チンゲン菜のおかげで、飽きることにない味に

■趙記菜肉餛飩大王
台北市桃源街5號、7號
(02)2381-1007
8:00~21:30
「とにかくソースが唯一無二の味わい!プリッと茹でられたスルメイカに、沙茶醤ベースの自家製ソースが見事に絡みあっています。沙茶醤の魚介の風味に、台湾バジルとニンニク、ショウガが効いていてもう最高!食べ歩きが基本の饒河街夜市で、イートインスペースがあるのも嬉しいポイントです」
【台湾人の推薦コメント】★スルメイカはサクサク、ソースは辛みのなかに爽やかさがあって口あたりがいい
★新鮮なスルメイカはボリュームもあり
■加賀魷魚大王
台北市饒河街120號
(0953)579-555
17:30~24:00
「芋圓(タロイモ団子)、タロイモペースト、タロイモアイスに、白玉、タピオカ、ハトムギがトッピングされた、タロイモづくしの芋見泥綜合蔗片冰が人気メニュー。薄い板状のサトウキビの氷は、シャーベットのようにサクサクで、溶けてくるとシャリッと変化する、ふたつの食感でお得な気分に。
子供のころには、おばあちゃんがタロイモのお団子をよく作ってくれました。そして台北では最近は見かけなくなりましたが、市場にはサトウキビが売られ、私もよくかじっていて……。
だからこのお店のタロイモとサトウキビの味わいは、懐かしい気持ちを呼び起こすんです。いっぽうで盛りつけやお店のつくりには今風のおしゃれなテイストも盛りこまれていて、その両面があるのが素敵なんですよね」
【台湾人の推薦コメント】★タロイモ好きの天国!
★サトウキビの自然な甘みのある氷は嫌みのない味で、どの手づくりトッピングにも合う
★樂華夜市の有名店
本書に登場しない「陳記豬肝湯」は、AKRUさんの食人生を変えた!?
『台湾ごはん何食べる?』では、アンケートの結果惜しくも選外になり、紹介できなかった小吃がいくつもあるとか。そのなかでAKRUさんが「これは日本のみなさんにオススメしておきたい!」というお店も聞いてみました。
「今、いちばん食べたくてたまらないのが豬肝湯(レバーのスープ)。もともとレバーや内臓は怖いと避けてきてたんです。でも、だまされたと思って食べてみなさい、と母にすすめられて。勇気を出して口にしてみたらビックリ!くさみはまったくなく、ふわふわの食感で、スープにもレバーの甘みが染みていて感動的でした。その後、ほかのお店でも豬肝湯を食べてみましたが、ここほど美味しいところにはまだ出合っていません。
鮮蚵湯(牡蠣のスープ)も、牡蠣料理だと蚵仔煎(牡蠣オムレツ)一辺倒だった私を変えちゃいました。大ぶりの牡蠣は絶妙な火の通り加減でプリップリ、海鮮専門店じゃないのにこのクオリティの高さは何事かと」
『台湾ごはん何食べる?』は情報だけでなく、台湾ごはんを通じて「台湾と日本の交流」を提供してくれます。この本で阿米と友達になって、次に台湾へ訪れたときは「美味しい」に「楽しい」もプラスされた味わいを体験してくださいね。
以上、台北ナビでした。