【台湾グルメ】皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)が台湾行啓の際に唯一召し上がった台湾料理「酒家菜」をFine Diningのコンセプトを取り入れて再現した「天皇御宴」を台北福華大飯店の「蓬萊邨」でいただこう！

こんにちは、台北ナビです。

先日、台湾の五つ星ホテル「台北福華大飯店(ハワードプラザホテル台北)」の人気台湾料理レストラン「蓬莱邨」で台湾好きの日本人なら一度は食べてみたいコースメニューのお披露目会が開催されると聞きつけ、勇んで試食してきました！

その名も「天皇御宴」。さて、どんなコースなのでしょうか？

台湾の五つ星ホテル「台北福華大飯店(ハワードプラザホテル台北)」の人気台湾料理レストラン「蓬萊邨(péng lái cūn/ポンライツン)」は、ホテル創業の年にオープンし、40年以上の歴史を持つ老舗レストランです。現在では、五つ星ホテルの中にある台湾料理レストランはとても珍しいと言われているのだとか。

クラシカルで洗練されたインテリアで、高級ホテルらしい風格が漂う店内。ナビが訪れた時は平日のお昼前でしたが、スーツ姿の方など近くのオフィスで働いているのかな？という方の利用もあって、お昼を超えると平日でも混雑する日はありそうだなと感じました！

そして、何より5つ星ホテル内の40年の歴史あるレストランということもあって、ベテランスタッフの丁寧で的確な対応が素晴らしいのです。大切なお客さんを連れて、大切な家族や友達と楽しいひと時を楽しむのにぴったりのレストランだなと感じました。

そんな「蓬萊邨」が気合を入れて作ったのが、「天皇御宴」。この名前を聞いてもしや？と思われる方も多いはず！

今回の献立は、1923年の台湾行啓にさかのぼります。台湾滞在時、皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)は西洋の料理を中心に召し上がりましたが、唯一振舞われた台湾料理が「酒家菜(酒樓菜)」でした。

「酒家菜(酒樓菜)」とは、中国(特に福建)料理を台湾・日本の好みに合わせて、趣向を凝らした高級宴会料理です。台湾行啓の際に食した宴会料理は、当時大稻埕(迪化街エリア)で知名度・人気共に高かった「江山樓」と「東薈芳」の料理人が調理を担当したそうです。

雪白官燕
アラカルト(単品注文)価格：3,800元

 シラスで作られたタルトに、卵白と燕の巣を混ぜた餡をのせた前菜。

小魚花生からインスピレーションを受けています。タルト部分のシラスがサクサクで香ばしく、なめらかで柔らかく繊細な口当たりの餡のとのバランスも最高！一口でパクっと食べるのがおすすめされたのですが、一口で食べ終わってしまうのがもったいなく感じるくらいおいしい！

水晶鴿蛋
アラカルト(単品注文)価格：4,200元
※3日前までに要予約

厳選された新鮮な鳩(ハト)の卵を紅露酒(もち米と紅麹を主原料とした老酒)に3日間漬け込み、洛神花(ローゼル)で赤く色付けて、上にクコの実で飾り付けしたお料理。

スプーンには紅露酒を加えたチキンスープのゼリーが敷かれています。ナビの目にはミニトマトのようにも見えましたが(失礼！)、台湾人的には新生児の満月祝いに食べる「紅蛋」に似ていて、縁起がいいのだとか。

紅燒海鮮
アラカルト(単品注文)価格：3,500元

台湾行啓の際に振舞われたのは「紅燒大翹」という名前でフカヒレを使用していましたが、SDGsの観点から、今回のメニューでは台湾産の白エビとイカを使用しています。

烏魚子高麗菜鍋
アラカルト(単品注文)価格：1,880元

今回唯一、1923年の天皇御膳に含まれていないお料理です。これは「蓬萊邨」の定番料理「高麗菜飯(キャベツご飯)」を改良した料理で、雲林・湖口産のカラスミを加えています。「高麗菜飯」は昔から台湾人に親しまれてきた素朴なお料理ですが、これに高級食材のカラスミをプラスしています。

ちなみに「蓬萊邨」のランチタイムには紅糟肉をのせたバージョンの「高麗菜飯」セットが499元で提供しています。気になる方は試してみて！

如意捩魚 ◆ナビのお気に入り◆
アラカルト(単品注文)価格：3,200元

澎湖産の海鱺魚(スギ)の皮が黄金色になるまで焼き上げて、翡翠のように美しい緑色のソースをかけて仕上げた1品。

魚の皮はパリっと、中はふっくらした食感で見事に火が入れられています。ちなみにこの緑色のソースはほうれん草を使用しています。なんでも、ほうれん草をペースト状にしたものに溶き卵を加えて油で揚げたものを、甘みとうま味が凝縮されたスープに入れているのだとか。

美しいだけでなくおいしいって、最高じゃありませんか？

海參竹菇
アラカルト(単品注文)価格：3,800元

中華でナマコで料理といえば、煮込んでとろみをつけるのが一般的ですが、これはナマコを揚げて外側をパリパリにした「脆皮烏參」の手法からインスピレーションを受けて作られています。

まずはそのナマコのサイズ感に度肝を抜かれたのですが、食べるとサクサクとした食感と柔らかさが共存し、ナマコの新しい魅力に出合えました。

雪白木耳 ◆ナビのお気に入り◆
アラカルト(単品注文)価格：2,800元

レシピが伝承されていないと言われる幻の酒家料理「炸冰塊」から着想を得た料理。白キクラゲのゼラチン質を煮出して球状に固め、豬網油(豚の胃や横隔膜の周りにある網状の脂肪)で包み込んでいます。

この料理は特に料理人の技術が問われる職人技の料理と言われています。サックサク食感の衣にはうま味が詰まっていて、中もとろっとしていてクリーミーでおいしい！子供でも食べやすい味でしたよ。

金錢火雞
アラカルト(単品注文)価格：2,600元

パイ生地に、細切り大根と七面鳥の肉を詰めた点心。焼き上げた外皮は香ばしく、肉汁もたっぷり。ちなみに、中国の古代貨幣「元寶」型をしていることから「金錢」の縁起のいい名前が付けられてるのもいいですよね！

八寶飯＆杏仁茶
アラカルト(単品注文)価格：2,800元

この日はさらに、「蓬萊邨」でいただきたい看板料理の「乾煎豬肝」と「金針花排骨湯」もいただきました。

「乾煎豬肝」は先日開催された台湾の台湾人による評価「500盤」に選出されています。この日は幸運なことに、台湾で活躍する美食家の方々と一緒に食事を楽しんだのですが、台湾料理レストランの実力を知るには「乾煎豬肝」を注文すべしと教えてくれました。

なんでも、「乾煎豬肝」のおいしさの鍵は食材選び、厚さ・大きさを決める包丁さばき、火加減のすべての技が必要で、「乾煎豬肝」がおいしいレストランは台湾料理の実力が高いのだとか。

もちろん「蓬萊邨」の「乾煎豬肝」も絶品！レバー嫌いもきっとびっくりするほど臭みがなく、レバーのうま味が喉に広がるんです。甘辛さ具合も抜群だし、火入れ具合が抜群だから弾力ある食感も素晴らしい！

さらに、「金針花排骨湯」は創始者一族に伝わる秘伝の料理で、「蓬萊邨」の魂と言われる1品。

じっくりと煮込まれた排骨(豚スペアリブ)は、骨からほろりと外れるほど柔らかいにも関わらず、金針花のスープの香りをたっぷり吸い込んでジューシーです。ひとつずつきれいに結ばれた金針花も美しい！まろやかでコクがあるスープは、ほんのりと漢方の香りが漂い、ほのかな甘みも感じられます。

優しい味にほっとする、さすがの味でした！

「蓬萊邨」のすばらしさが凝縮された「天皇御宴」は、コースで食べると正直気軽に食べられる価格とは言えないながら、単品での注文も可能です。どれか気になる料理があれば、是非単品で楽しんでみて欲しいと思います。ちなみにナビのおすすめは「如意捩魚」と「雪白木耳」ですよ～！

台湾好きの日本人なら一度は食べてみたい「天皇御宴」、おすすめします！

以上、台北ナビがお届けしました。