
台湾南部の都市・嘉義市には、「嘉義市立美術館」「檜意森活村」「嘉義市文化創意産業園區」、さらには阿里山森林鉄道の「北門」駅など、日本ゆかりの建物が数多く残されています。

市内にある「嘉義城隍廟」もまた、ほんのちょっぴり日本を感じることができる場所だってことをご存じですか?

「嘉義城隍廟」は清の時代、康熙五十四(1715)年に建立された道教の寺院です。地域の守り神である城隍爺ほか数多くの神様がまつられ、現在は国定古蹟にも指定されている由緒ある廟なんですよ。

日本統治時代にも祭事の中心としてその役割を担ってきた「嘉義城隍廟」。1936年には当時の伊藤英三嘉義市長らが寄付金を募り、修繕も行われたとか。現存する廟では、その頃を偲ぶ建造物も見学することができます。

まず、廟を構成する三川殿・拜殿・後殿(すでに建替済)は日本統治時代に福建の泉州からきた王錦木によって建てられました。台北孔子廟や台南鯤鯓代天府、新竹城隍廟の修繕にも関わった名匠だとか。

拜殿の天井には、陰陽などを表した「八卦藻井」と呼ばれる細工が施されています。ほかの廟ではあまり見られることのない裸体の女性やハットをかぶった男性などがいるんです。羽の生えた天使もいるんですが、見つけるのはなかなか大変!写真を撮って拡大して見つけてみました!

これらは伝統的な廟建築なので日本っぽさこそありません。より日本とのつながりを感じるのは、正殿の両サイドに掲げられた扁額。「山〇 さけ 海は……」なんとなく読めました!だって日本語、和歌が刻まれています。源実朝と本居宣長の歌だとか。

さらに、富士山や玉山(当時の新高山)の絵も隠されています。

嘉邑とは嘉義のこと
■嘉義城隍廟上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
記事登録日:2025-12-18